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 格闘技とエクプアの活動……

6月27日にRIZIN29が行われた。もう1週間以上が経過してしまったが、魔裟斗さんが皇治選手を擁護したことなどがあり、未だに議論の対象となっている。

27日はUFCファイトナイトであった。アメリカ時間では26日夜ということになるのだが、いずれにせよがっくりきたメインイベントだった。ヴォルコフ対ガーヌは、ガーヌ選手が勝利するなら判定だろうと予想していた。当然エキサイティングな試合を見たいので、ヴォルコフ選手の勝利を願っていたのだが、結果は悪い予感
が的中。こういうときだけはよく当たるんだよな。テンションがだだ下がった。

そして同日、RIZIN29も開催されていたのだが、地上波放映はなし。カードが弱いというのが理由だ。テレビも今のご時世シビアなのである。

よってリアルタイム視聴するにはRIZINのPPVを買うしかない。もちろん私は買わず、ただSNSで結果速報を眺めていたのだが、大会は驚愕の展開を見せていたのだった。

RIZIN29の目玉、それは61キロキックボクシング4人ワンデートーナメントである。
MMAイベントであるRIZINにおいて、キックルールは刺身のつま。そんな現状を打破しようとしてか、ベルトまで新調されたこのトーナメント。参加選手は皇治、白鳥大珠、梅野源治、高橋亮。悪くはないが凄くもないというところだろうか。

もっぱら話題の中心は皇治選手で、「ぐだぐだ言ってる奴らまとめて相手してやるわな♪」と豪語し、得意の大口を叩いていたのだが、ファンの間では疑問の声があがっていた。攻撃力が低く、ただ強豪にボコられて打たれ強さを見せる試合を繰り返してきた皇治選手に、さすがにファンも「実は大したことないのでは?」と疑問を抱き始めたのである。

正直、皇治選手が今回アッサリと負けるようなことがあれば、さすがにファンの人々も目が覚めてしまうのではないかと、個人的には案じていた。

そんな状況を吹き飛ばすためにも、今回のトーナメントはなにがなんでも優勝すると意気込む皇治選手。
その対抗馬は長身で元ボクサーの白鳥選手である。

よくしたもので、組み合わせはくじ引きにもかかわらず、この両者は別ブロックに分かれることとなった。皇治選手の相手は梅野源治選手、白鳥選手の相手は高橋亮選手。共に勝利すれば決勝であいまみえるという構図であった。

ところで、この立ち技ファンですらさして豪華だと思えないキックボクシングトーナメントがRIZIN29の目玉であり、決勝がそのメインイベントとなっている事実は、RIZIN支持層の大半をしめるMMAファンからは大層不評であった。これは当然である。主催者は一体何を考えているんだ?     狂ったのか?!

そうではない。

皇治選手をメインに据えねばならない理由、それは皇治軍団と呼ばれる固定ファンの存在にあるのだった。この皇治軍団は、名前の通り皇治選手の熱狂的なファンであり、RIZIN大阪大会におけるチケット収入の命綱。なんと今回、大阪出身の皇治選手ひとりで会場チケット4千枚を売り上げたというから驚きだ。
チケット1枚1万円とすれば、皇治選手ひとりで4千万である。
つまり、MMAファンのMMAを見せろという当然の願いなど、4千万円の前には屁の突っ張りにもならんというわけであった。

ば、ばかな、ファンの希望よりも目先の金銭を優先するとは……
当たり前だー!
RIZINは慈善団体じゃねんだ。文句あんならオメーが一人でチケット4千枚買えやー!!
というわけで、刺身のつまである筈のキックルールがRIZINをジャック。運命の一回戦が始まろうとしていたのだ……!

ワンデートーナメント。1日2試合を勝ち抜かねば優勝できない、過酷なルールである。
なので当然ながら、一回戦はとっととKO勝ちしたい。3分3ラウンドをフルに戦えば、勝ったとしても体力の消耗やダメージは深刻なものとなり、決勝に影響する。できれば一回戦は瞬殺し、決勝にベストコンディションで臨みたい。

だが、当たり前だがそんな簡単にいくわけはない。皇治選手の相手は梅野源治選手。ムエタイの殿堂ラジャダムナンでベルトを巻いた程の実力者である。

しかしながらRIZINキックルールは事実上のK-1ルールであり、首相撲や肘は反則。ムエタイ戦士である梅野選手は、接近戦の武器を封じられているのだ。

一方の皇治選手は、誰もが認めるパンチの軽さと打たれ強さが持ち味。つまりこの試合、一撃でドカーンと決まることはまずなく、3分3Rフルに使った総力戦が予想されたのであった。
トーナメント一回戦としては厳しい展開……
とはいえ、ここを突破しないことには決勝のリングに上がることすらかなわない。
皇治対梅野、運命のゴングが打ち鳴らされた。

誰もが長期戦を予想した。私もそう思っていた。
ところが……
ドッコイ
えっ
お、お前…………!