私の前世は、大東亜戦争(第二次世界大戦)で従軍した日本兵でした。

 

13歳の時、私は自分が死ぬ夢を見ました。

 

 

 

 

私はジャングルの中で、武器を運びながら行軍していました。

 

そして、自分がマラリアにかかってしまったと気づきました。

 

このタイミングでマラリアになったら死ぬしかない・・・

 

 

 

なぜなら、

 

既に、極度の栄養失調で、傷が治りにくく

 

足や腕は傷だらけ、破傷風になったかもしれない。

 

そう、感じていたからです。

 

 

 

全身が痛くて1歩足を前に進めることも辛い状況でした。

 

それでも、我慢して前に進まなければならない。

 

 

 

私はマラリアになったことで、自分の死を覚悟しました。

 

次は、いつ、どこで、自分が死ぬか、その場所を探し始めました。

 

 

 

 

 

なにしろ行軍中です。自分が倒れることで、

 

みんなの足を止めることは作戦に支障が出てしまう、

 

それは、みんなを危険にさらしてしまうかもしれません。

 

 

 

すると、ジャングルの道の途中に雨のせいで水が氾濫して

 

小川のようになっているところが現れました。

 

みんなが渡れるようにするには、橋のように木を渡して、

 

その木を誰かが押さえていなければならない、と分かりました。

 

 

 

私は軍曹に申し出ました。

 

 「私が木を押さえます。みんなが渡るのを確認したら、

 

  私は最後にみんなの後を追いかけます。」

 

軍曹は、私の状況を分かっていました。

 

辛そうな顔でうなづきました。

 

 「わかった。よろしく頼む。」

 

と肩に手をかけられました。それが最期の別れでした。

 

 

 

私は木を押さえ、一人ひとりの体重を感じながら

 

みんなと無言のお別れをしました。

 

 

 

 「みんな、ありがとう。今まで一緒に戦ってくれて。

 

  みんなと会えてよかった。

 

  日本に帰ったら、靖国神社で会おう。」

 

 

 

 

 

私は、そう思いながら涙を流して、木を押さえ続けました。

 

仲間たちも涙していました。

 

最後の一人を見送った後、私は力が尽きてしまいました。

 

体が全く動かなくなりました。

 

仲間は振り返り、私の様子を眺めていましたが、

 

涙を拭いて、前に進んでいきました。

 

 

 

そもそも木を押さえると判断した時点で、

 

私がみんなの後を追いかけられないことを、

 

みんなが把握していました。

 

1人では登れない崖の構造だったのです。

 

 

 

ジャングルの夜は、深い深い静寂でした。

 

なぜか大きな安心感と達成感と幸せに包まれていました。

 

私は今ここで死ぬんだな。これで日本は救われ、

 

その一因になれるなら、本望だ。

 

 

 

私の大切な日本を私は救った。

 

あの山河も故郷も守られた。

 

心の清らかな少女も大志を抱く子供たちも

 

みんなみんな守られた。

 

 

 

日本は必ず勝つ。勝って世界を救う。

 

差別や殺戮のない、平和な暮らしが訪れる。

 

これでよかった、これでよかった。

 

そう思って私は亡くなりました。

 

 

 

亡くなった瞬間、恍惚の幸せに包まれました。

 

そして、天使や神々が私の魂を迎えに来ました。

 

私の魂は天に上昇していきました。

 

 

 

 

 

そして、天上界で、私は衝撃の事実を知らされたのです。

 

 

 

 

明日に続きます。