3歳か4歳の記憶に雪の積もった、寒い北国へ母親と伯母と三人で行った時、ナマハゲがやって来て、私を食べるぞ〜とお面を被ったおじさん達が、子供の厄払いをするために夕飯を済まして待っている私に会いに来てくれると言われて、楽しみに待っていた。まあだ?もーすぐ。まあだ?伯母は優しく私にナマハゲは、良い鬼さんだから、がお〜と来たら、泣いても良いけど、本当には怖くないのよ、といつものように優しく私をさとしてくれていた。尻尾を持っている母親は、静かにお酒を飲んでいた。がお〜と、向こうのお部屋から声がしてきた。子供の泣き声が聞こえて来た。さあ、来るわよ、と母親が楽しそうに言った。ガタガタと障子が開かれてナマハゲが入ってきた。がお〜がお〜とお面を被ったおじさんが私に近寄って来る。全然怖くないけど泣こうかな?他にもナマハゲが来た。踊りを踊るように、私の周りで蠢いている。ナマハゲの後ろから、大きな鍵爪の化け物の手がナマハゲの頭をえぐった。その手は私の母親の口に、今えぐったナマハゲの頭の何かを入れた。母親はうまい、美味いぞーと男の声で叫んでいる。もっと寄越せ、もっとだ。ナマハゲ達は三人、4人とやって来た。大きなかぎ爪の手でやって来るナマハゲの頭を次々にえぐっては食っている、人間のふりをしている私の母親は、大喜びでナマハゲの脳みそを、頭をえぐっては食っている。ナマハゲは、食われながら踊っている。私は、あまりの事に泣きながら、叔母を見た。伯母には見えないらしい。伯母は生きていてもほとんど寝ているように、何も見えていない。大声で泣き喚いて、ナマハゲを助けようとしたが、鱗の顔をした、大きな怪物の母親は、美味い、美味い、そう言って4人のナマハゲの脳みそを食べまくり、来年も又食いにこよう、と私に言った。いやだ。来ない、泣きながら言った。伯母は黙って座っている。ナマハゲの1人が私に言った。食われたんだぞ、皆んな食われたんだ。悲しそうにナマハゲはそう言って、帰って行った。伯母には何も見えないんだ。心からナマハゲに謝った。ごめん。肉体以外にも人は体を持っているんだね。