私が小学校5年生の時、同じクラスに居た凄く可愛い女の子には、白い天使の翼があった。私達は一度も話をした事が無かったけれど、いつもテレパシーで話していた。彼女は白くて美しい翼をいつも隠していた。お願いをして、見せてと笑いかけると恥ずかしそうに、少しだけよ、と言って白く、美しい翼を背中の肩甲骨の辺りから、パサパサと羽音を立てながら、私に見せてくれていた。どうして翼があるの?綺麗ね、それにあなたは本当に可愛い、その翼で何をするの?それは、秘密だから教えられないの。私だけが彼女の美しい翼を見てる。もし、みんなに見えてしまったら、悪魔に狙われて危なくなるのよ。だから、誰にも教えないでね。私は翼以外にもこれを持っているの、そう言って見せてくれたものは、小さなハーブのような楽器だった。彼女がそれを奏でてくれた。美しい音色と共に爽やかな風が吹いてきた。ある日、もう、翼を見せられなくなると悲しそうに彼女は私にテレパシーで話しかけてくれた。どうして?悪魔達の力が強すぎて、隠さないと殺されてしまったり、色々巻き込まれる危険が高すぎるから、翼を隠し、私の色々見えてしまう目も、隠さないと悪魔にやられてしまうのよ。私達はそんなに多くはないから。そう言って、彼女はそれから一度もテレパシーでも話してくれなくなった。都会の道を歩いていると、本当にたまに、翼を持った人がいた。でも、どんどん発展していく日本の流れの中で、テレパシーでの会話も、翼も、フルートやハーブの調べも消えて行った。子供の私の目に見えているのは、生きているのに眠っている人間の姿ばかりになってしまった。