火葬が済み、お骨を骨壺に入れる。関東では一般的にすべての骨を骨壺に収めると思うのだが、関西では骨壺に入る分だけ入れ、あとは火葬場にお願いするらしい。
 
足のほうの骨から入れていき、最後に一番の血縁者である夫が喉仏を入れ、頭がい骨で蓋をし、骨壺の蓋をして終了した。
 
お年寄りの骨は一般的にモロく、けっこうボロボロになるのだが、舅はもともと骨太だったのかずいぶんお骨は残っていた。関東だと骨壺にてんこ盛りになるヒトもいるのだが、この地域は関西なのであとは火葬場にお任せとなった。
 
その後、一族は実家に集結。お茶を飲んで、落ち着いてからお寺に連絡し、お坊さんにお経をあげに来てもらうのだ。
 
そこで、あの小姑の伯母が…
 
「ちょっと!!ミワコさんっ(姑の名前(仮名))!!!!そろそろお寺さんに電話せな。お坊さんも移動時間があるでな、早め早めに動かんと。」
 
と言い出した。すると姑ではなく夫が
 
「伯母さん、さっき僕が連絡しておきましたよ。」とすかさずフォロー。
 
私はあまり気付かなかったのだが、お通夜、お葬式とこの調子で伯母は姑に指示していたそうなのだ。
 
…姑のガマンも限界にきていた。
 
お坊さんが到着し、夫と姑は最前列。私メは例の伯母の隣、2列目に座った。
 
仏壇の部屋はあまり使わないため、エアコンがついていないのだ。
 
お坊さんはお経を唱えながら、汗がしたたり落ちていた。
扇風機を持ってきて、お坊さんに風を送るようにすると、ロウソクが消えてしまいそうになる。
 
ロウソクが消えないように、みんなで試行錯誤、いろいろな角度であててみるのだが、うまくいかない。
 
すると、また例の伯母が
 
「ちょっと!!ミワコさんっ!!!!うちわでお坊さんをあおいであげなアカン。うちわでそっとあおげば、ロウソクは消えんヨ。アタシはいつもそうしとるよ。ちょっと!!うちわを誰か持ってきて。エーコちゃん(夫のいとこ)!!アンタ持ってきて。」
 
と言い出した。エーコちゃんもヒトがいいから、素直に持ってきたのだが、それを伯母は姑に後ろから渡そうとすると、姑はガン無視。
 
…え!?アタシがやらなきゃダメかな。。でも2列目だし。と思っていると
 
「ミワコさん、アンタが一番前なんやから、アンタがやらな。ホレ。」と伯母は姑の後ろにうちわを置いた。
 
…しかし、うちわはそれっぱなし。そのうちお経も終わってしまい、お坊さんも帰ってしまった。
 
姑は伯母にはさすがに直接言えないから、私やエーコちゃんに
 
「まったくも~むかっいっつもあの調子や。けったくそ悪いわ~。いかにもウチが気が利かないみたいに言ってむかっ
 
と激怒りしていた。そんなこととはつゆ知らず、伯母は機嫌よく帰って行った。
 
なぜ機嫌よかったのかと言うと…片道、車で1時間もかかるのに、エーコちゃんに運転手をさせてタクシー代を浮かせていたのだ。今回の犠牲者はヨメの姑よりもエーコちゃんだったのかもしれない。
 
 
 
ランキング参加しています。クリックしてくれたらうれしいな
 
      ダウン