通話を切った。にっさんも頼れない。というより、私より大変そうだ。私の借金の額よりも、きっとゼロが2つくらい多い損失を出したに違いない。
千春は時計を見た。午前10時過ぎ。あと3時間を切ってしまった。ああ、どうしよう。
千春は幹雄に電話をかけた。
どんなに情がなくとも、夫は夫。ここ一番で、最後に頼りにできるのは、夫しかいない。
しかし、何回掛けても幹雄は電話に出なかった。
時計を見た。11時であった。千春は力いっぱいスマホの画面を押し、幹雄に電話をかけ続けた。しかし、あるとき、呼び出し音が途切れた。
「お客様のお掛けになった電話は、電波の届かない場所に…」
電源が落とされてしまったようだ。
最後の頼みの綱を絶たれてしまった。もう、私という存在は終わってしまった。
もう誰にも頼らない。もう誰にも自分の心の内を覗かせない。この問題を解決するただ一つの選択肢。これを選ぶ決心をつけた千春は、スマホを取り出した。
スマホのツイッターのアプリを呼び出し、かなり久しぶりに書き込みを行った。
「いままでみんなありがとう。バイバイ。」
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