陰柔不中正なので本来ならば進もうとして悔を免れないはずであるが、幸いにしたの二陰も自分と同じく進んで六五大命の君に仕えようとする志を持っているのでその同類の人たち衆から信用を受け悔いも亡びる。皆の志が上に向かおうとする点において一致しているからである。泥地に需つ。時には外寇の襲来を招く事もある。災いがすぐ外にある。敬慎すればこれに敗れることはなしにすむ。陽剛居正、正応の上六は陰柔無力で頼りにならないから、往けばかえって蹇む事になるがもし往かずにとどまれば、在下の二陰もこれに帰服して安泰である。喜び迎える。過剛不中、旅に出てせっかく暫しやどるべき宿屋に落ちついたと思ったらその宿屋は焚かれてしまい召使いの若者も主人の手荒い扱いにあいそをつかして行方知れずという象。たとえ旅に出た目的は貞正であったとしても、危険な事である。何とも痛ましい事である。旅にある身で目下の者に手荒く接するというのでは、筋道からいっても相手がいなくなるのは当然である。九四と共に卦の中央屋根に例えれば中心の棟であるが過剰不中剛強に過中和の徳を失してその任に堪えられぬから棟が撓み曲がる象。凶である。剛強に過ぎると旗から輔けてやりようがないからである。