能力がありながら低い地位に甘んじている人にあたる。従って作為文飾を仮らず素直におのれの道を履みおこなう。進んで行動しても咎はない。人にかかずらうことなく自分の所願を行う事である。柔順居初、謙道の至り、謙遜な上にも謙遜な君子というべきであり君子はこの態度をもってすれば大川を渉るような大事を敢行することができる。吉である。君子は卑い姿勢を取り守って自らその徳を養うことである。家道の初めに当り、剛毅果断の態度をもって我が家の人々の過失に陥る事を防ぐように心がければ家道が乱されるという悔いもおのずから消え去る。家人の志がまだ悪に変ぜぬうちに防止する。柔弱で下位に居ながら上位の物を訴えるのであるから道理はこちらにあっても無理押しはきかない。余り事を長引かせないようにすれば多少はいさかいもあろうけれどついには吉である。