陽剛居極、おのれを損することなくして人を益す象で、咎はない。貞正を守っていれば吉であり、行って事をなすによろしい。天下の人がみなこれに臣服して天下一家となって、個々人の家等という考えは誰の頭にもなくなる。大いにその志を得ることである。陰柔居極、きわめて物に感じやすくこれをすぐ口に出すだけで誠意を欠く。だから輔・類・舌に咸ずという。輔は上あご、類や舌と一緒に人がしゃべるときに動く部分である。ただ口に出すだけのことである。陰柔居極、初剛に最も遠くしかも正応を持たぬのは最後まで迷って善に立ち返りえない象だから凶である。このようでは災眚にかかるであろうし、この態度で軍隊を動かせば最後には大敗を招いてその累を国君にまで及ぼすから凶である。十年たっても敵国を征伐することはできぬであろう。君主としての道にもとるからである。柔順居極 臨道の極致であるから敦厚・手厚い態度で人に臨む象。吉であって咎がない。志が内卦の内卦の二陽つまり在下の人々に従うことにあるからである。