陽剛居中、往けばひきとどめられる事を知って自ら止まる象例えていえば車の車輪と車軸を繋ぐ紐を自分でほどくようなもの。中庸の徳を守って尤のない行いである。柔順中正、下卦二陰の間に挟まれてはいるが、九五は正応なのだからお互いに引きあえば必ず萃まり得て吉であり、咎はない。心に誠さえあれば礼の簡略な祭を行ってもよろしい。二陰に挟まれながらもなお中正の徳を変えていないからである。陽剛居中の身で六五の人に応ずる。賢女の身で愚夫の配偶を得た象で、せっかく内助の功を尽くしてもあまりうだつはあがらない。眇 片目で物を見てもあまり遠くまでは視力がおよばないようなものであるから、幽人 幽静の徳を守り貞正の態度を失わずに婦道を全うすることがよろしい。婦としての常道をとり失わずにいることである。もろもろの蒙昧者を包容して吉であり妻を娶る事も吉である。家庭で言えば闇弱の父もしくは父亡き後の母を助け子でありながらよく一家を治め責任を負う人である。剛と柔の志が通じる。柔順中正、初九陽剛の仁者に親しみ下るからよく善に立ち返る事を得て吉である。