陽剛不正、せっかく君位に近い重職に在りながら才徳がそれにかなわず、初六の小人と相応じこれを籠用して失敗を招く。鼎の葦が折れ、君公からの贈り物である鼎中の觫(ご馳走)をひっくり返し、恥ずかしさで顔色が渥然となる。凶である。まことにどうしようもない。馬に乗ってもぐるぐる回る。男子の求婚が礼にかなっている。これを頼ってその協力を求めて事を行えば万事に吉でよろしからぬことない。道理に明らかな所業。陽剛ではあるが不中不正、小人を決去する意志はあっても卑弱であり、たとえて言えば尻の皮膚がむけてしまって坐ろうにも落ち着いて坐れないようなありさま。思い切っていこうとしてもつい次且(逡巡)してしまう。しかし羊飼いが羊を牽く時にその群行性を利用するように自分一人で行こうとせず他の諸陽の君子と共同行動を取る事を心がければ悔いも自然と消滅するであろう。問題はそのように行動せよと言われながらそれを聞く耳を持たぬ愚かさである。位地が不当。聡明さが足らぬ。陰柔居陰柔弱にすぎて父の蠱を幹じ得ず、ただゆるやかに傍観するばかり。強いて行けばかえって吝、辱しめをうけるであろう。強いて行っても望むところは達し得られぬであろう。陽剛無応、賢女が良配を得られずに婚期を逸する象。嫁ぐべき相手を待って時をすごさねばならぬ。しかるべき相手を待って行くことである。