柔順居中、言語を慎んで身を正しくするから、輔に艮まる象。輔(頬骨)は物をいうときに動く部分である。言語を慎むから、いざ物言う時にはきちんと筋道に合ったことを言い、従って悔いは消える。中を得ている。陽剛中正居尊の身であるが、上六に高比しているので、陰柔の身で陽を剥害しようとするもの(上六)をまごころから信じて親しもうとする傾向があり、危険である。惑わすものに警戒せよ。柔順居中の君、よく初・三・上の小人を解去し、二・四の君子を登用することにつとめれば吉である。そうすれば解去された小人も誠意をもって心服するに至るであろう。小人が退くことである。剛中居尊、鴻が安泰で高い丘陵に進み得た象。ただ婦たるべき正応の六二が三・四にはばまれて、なかなか親しみあう機会を得られず、三年もの間、子を孕むこともできないままでいる。しかしながら結局において邪は正に勝つことはできないのであるから、最後には望みを達し得られて吉である。願うところを得られるということである。柔順居尊、文明中庸の徳があって、しかも九二の賢臣を正応に持つが故に、貞しければ吉であって悔はない。りっぱな君子としての光輝があり、こころにも誠実さがあって、吉である。