潜龍用いるなかれ。龍徳ありて隠れたるものなり。世に易せず、名を成さず世を逃れて憂うることなく是とせられずして悶うることなし。楽しめばこれを行い、憂うればこれを違る。確固としてそれ抜べからざるは潜龍なり。勢い微弱だが放置すればやがて強聖盛になるから早くにこれを警戒せねばならぬ。例えば初めて霜を踏む季節となればやがて堅い氷の張るときがやってくることを予想すべきである。やがて堅い氷になる。姤の卦主、一陰をもって五陽に当る女壮の象、その勢いがこれ以上に壮大になっては恐るべきことであるから、これを鉄製の車止めにしっかりとつなぎとめるようにせねばならぬ。こうしておけば貞正で吉であるが、もし勝手に先に進ませるようであれば、凶になる事となろう。羸豕(痩せ細った豚)は瘦せ細っていながらもまったくぴょんぴょん跳ね回ってじっとしておらず、ほっておけば終には手に負えなくなる。君子の道を牽制するから霜を踏んで堅氷に至るのようにならぬようにする。