過剛不中、上下卦の境目に居て強引に動こうとしない。身体にたとえれば、上下身の境目である限に止まって動かず、ために身体は俯仰屈伸の自由を失い、無理に動こうとすれば夤がばらばらになる。その危うく不安なことは、心を焼きくすべるばかりである。陰柔不中正でしかも無応。来たって下の九二とひそかに悦びを通じる象だから、凶である。位が不当だからである。陰柔不正、不徳の小人が荷物を背負いながら分不相応な貴人の車に乗り不当の栄誉をむさぼろうとして、終わりに強盗から襲われるような事態を招く。いかに貞正を守るつもりでいても吝である。しょせん恥ずべき行為。我自らの至らぬせいで強盗に襲われる事態を招くのだからまた誰を咎めることができようか。一人上九の陽に応ずるのであるからかえって上下の陰から自分をはぎ取って上九を剥害することをせぬ。このようでなければ咎なきを得る。仲間付き合いを捨て去る。謙遜して自己の抑制に勤め、文章才能の美を含み隠して貞生を取り保つべきであり、時に王命を奉じて事に従う場合も、あえて成功にいる事を成さず、終わりを全うすることに心がくべきである。