陰柔居極無応、小人の身で九五剛陽の君子の上に在るので、葛藟(くず・かずら)にからまれ、臲卼として困しむ象。こんな時に行動を起こせば悔いを生ずるが、自分の身の小人としての至らなさを悔い改めてから先へ進めば吉である。自ら行って反省する。思い切っていくからである。賁道の極、賁飾の極地は白色に返る。白く賁る事こそ最も素朴自然の文飾とも言えるから咎なきを得る。悠然自得の志を保ち得ているからである。卦極の陽剛、故に男子として家人を治める道を汎論する。家人を治めるに当って、よく誠意があり、しかも威厳を欠くことがなければ最後には吉である。よくわが身に反省を加え自分に厳しくすることから始めるという事である。終われば凶。強引に押し切って訴訟に勝ち天子から官服の飾りである革の大帯を下賜されるが衆人の憎しみを買って永くはこれを保ち得ず朝の祭りごとが終わるまでに3度もこれを奪われるような目に遭う。しょせん敬するに足りぬこと。