剛強不正、すでに外に出るべき時機であるのに躊躇して門内の庭を出ようとしない。その消極性の故に凶である。時機を失することの極みである。柔順中正、旅に出て無事に宿屋につき、懐中には路銀もたっぷりあり、しかも童僕(召使いの若者)は忠実にしてくれるという象。最後まで尤がなくて済むという事である。陰柔居中、もとよりおのれに相応しい陽剛の人を求めてその養いに頼るべき身であるが頤養の道は目上の者が目下の者を養うのが本筋である。ところがこの卦の陽剛は初九・上九の2爻だけである。故に初九に養いを求めるとすればさかしまに養われることになって常道にもとることになるし、さりとて上方の丘(上九)に養いを求めるとすれば遠きに過ぎてしかも正応の人ではないから行っても凶である。行っても相手が本来頼るべき同類ではない。馬に乗ってもぐるぐる回る。結婚を求めているわけだがそれに心を動かさず本来の夫に対しての貞操を守り字をもらって嫁ぐことをせずにいるなら十年の後には夫たるべき人からの求婚を得て字する幸福に恵まれる。応爻の剛を持たぬから、剥が次第に進み今や壯の弁にまで及んだ象。邪が貞を滅ぼそうとするから凶である。まだ正当な相手を得られないからである。