陽剛居極。故に人と和同しようにも遠く離れて郊外にいるようなもので相手がいない。相手がいなければこれと親しむことはできないが、また悔いもない。まだ志を遂げることが出来ぬ状態。論考行賞の道を言う。戦いに勝てば大君たるもの命を下してそれぞれの分に応じある者には諸侯として匡を開かせある者には卿丈夫として家を受けさせるべきであるが例え功績があっても小人は任用してはならない。大君には功績を正当に評価せよ。小人は必ず国家を乱すようなことをしでかすからである。陽剛居極、頭上の角にたとえられるから、その角に居てはるかに遠い初六の陰に偶おうとしても果たされるはずがない。吝すなわち羞ずべきではあるけれども咎にはならない。居る場所が上に窮まっているから、剛強に過ぎて度量が狭いので陰に誘惑されることはないが吝なのである。柔順居正、革命成就の秋であるから、その事業に参与した君子・有位有徳の士人の功績は豹の毛が秋になって美しく変るように輝しい。また無位無徳の小人なら面持を革めて新しい君主のなすところに隋従すべきである。ただし革命の事業は重大な事であるから、さらにそれをおしすすめてしばしば民生を疲労させることは凶である。じっとしてその成果を亨受していれば貞正で吉である。