柔順居正、明を夷る上六の闇君にますます近いが、柔順正直の徳があるので、よく相手の腹中に入りその心意をつかみ、甚しい傷害を蒙らぬうちに、我が家の門庭を出て危難から遠ざかることができる。その心意を掴む事。訴訟しても克てない。しかしその地位をわきまえ一歩引きさがって天命に従い心を変えて貞正に安んずれば吉である。道を失わぬこと。陽剛、ただその地位正しからず、応爻の初六もまたその地位は不正、この際は思い切ってなんじの足の親指つまり初六との腐れ縁を解去すれば同類の朋友がやってきて誠意をもって助けてくれるであろう。正当な地位につき得ていないからである。日中に斗（北斗星）を見る状態であるが自分と同等の力量を有する人である初九の助力を得られれば、吉である。幽暗であきらかでないということである。我から進んで初九の助けを借りに行く。陽剛居柔、陰陽の宜しきを得て能くその任に堪えるから棟が隆起して撓むことのない象で吉である。しかしその上更に初六の正応からの援助を心待ちにする他志があると吝である。九二が初爻にかかずらって撓む事がないからである。