陰柔居初、しかも応爻の九四は不中不正なので晋如として進むことを欲しても打ち摧かれて望みを達しえない。しかしながら貞正の態度を取り保っていればやがては吉である。たとえ相手から信ぜられない場合にも、自ら心裕かに振舞っていれば咎はない。一人正しい道を行う事である。まだ官命を受けて為すべき職務のない庶民の地位にいるからである。郊外の地で時を待つの象。常を守って妄動せぬがごとく、咎にかかることはない。

危難を犯して行かぬ。なお常道を失わぬことである。柔順初無応、故によろしく静かに時を待つべきであり行けば蹇難に悩むが、来たって止まれば誉れを得る。よろしく時を待つべきである。無位の下民 卦初にいるからその犯す罪もさして大ではない。故に足枷を履き足首を傷つけられるぐらいの小刑を加えられるがこれに懲りて大きな罪を犯さぬように心がければ咎はない。それ以上の悪に行かせないためである。