他は全て陰爻でおのれに比しむのであるから比の道を明らかにするべきである。例えば王者が狩猟の際に三方からだけ駆り立てて前方に逃げる獲物は追わぬように去る者は追わぬおおらかさで人と比しむのがよい。上にある人がこの心得でいれば、領邑の人民達も警戒の心を解いてなつき比しむであろうから吉である。柔中の徳あって君主の地位に在り、しかも九二の陽剛を正応にもち、群陽の心服をかち得ている。君臣間の誠意が互いに交わりあっている象である。ただ君主たる以上はその威厳を保つことが肝要であり、これを保ち得れば吉である。臣下の誠心の志をも啓発するからである。威厳を保ち得ることが吉というのは威厳がないと相手があなどってこれに備えようとする気持ちをなくするからである。柔順居中、剥をやめて衆陰を率い随順してその籠を受ける。例えれば魚の頭を刺し貫くようにして宮女を率い王の寵愛を受ける貞淑温厚な正后のごときものであるから何事につけてもよろしからぬはずはない。遂に何の尤もないことである。黄色い(袴)を着た臣下。 中庸柔順の徳が自ずと外にまで現れた立派な人物。大いに吉。