陰柔不正、困窮すること甚しく、たとえて言えば木の切り株に坐って腎が痛みだし落ち着いておれないようなものであり、奥深い谷底にはいりこんで三年もの間人間の顔を見ることもできないようなありさまである。陽剛居下貧賎に甘んじてもっぱらその行いを美しくすることに心がけ人から送られる車などには目もくれず徒歩の生活に満足する。義として乗るのを潔しとしない。家道の初めに当り、剛毅果断の態度をもって我が家の人々の過失に陥る事を防ぐように心がければ家道が乱されるという悔いもおのずから消え去る。家人の志がまだ悪に変ぜぬうちに防止する。陽剛居正無応、陽剛正直の徳を持して卑下の地位にあり、みだりに偏私することはなく人と和して悦ぶ象で吉である。行うことが決して人から疑われないからである。