ももはかわいい。


その日、私はももを迎えに行った。
ももの家に着くと私は一旦車を降りて、小走りでかけよって来たももの為にドアを開けた。
声をかけ、手を差し出して彼女をエスコートした。

運転席に戻った私はまずももの方へ振り向いた。
出発前にその容姿を見ておきたかった。
黒く艶やかで柔らかく細い髪は、その日何度も櫛をあてたと言っていた。
支度にも時間をかけたと話した・・・

きちんとおめかしをしたももは、白黒のボーダーがかわいいスカート姿で、
車の座席にちょこんと座っていた。
私がももの為に用意した新しい座布団は、気に入ってくれた様だった。
勿論私は赤い模様の髪止めを笑顔でほめてあげるのを忘れない。

車に乗ったももは、私の話を大人しく聞いていた。
時折ふと物憂げに外の景色を眺めている。その目に映るモノは私と同じだろうか。
かと思えばふいに私の腕に顔をもたげたりもする。
そんな時私は少し照れ臭いがそっとしておくのだった。

車は二時間近くをかけて越谷レイクタウンに着いた。
途中ご飯を食べたりと寄り道もしたが、アウトレットで車から降りたももは楽しそうだった。

ももは足が早い。一緒に歩くと手を引かれて歩く感じだ。
人混みを気にもせずに自由に歩きたがるももに自然と顔がにやけてしまう。

ももはその容姿のせいか、視線を集めるようだ。
二人でベンチに座っている時などは子供に手を振られたりもした。

しばらくすると雨が降ってきた。最近流行りのゲリラ豪雨だ。
私達は一旦車に戻って体を拭いた。
予期せぬ雨に頭からびしょびしょに濡れてしまったももの服をぬが・・・ゲフンッ

・・・

帰りの車中でのももは少し感情が高揚しているようだった。
私達は途中のパーキングに寄り道して少し散歩をした。
雨上がりの少し湿った夜風が心地よかった。

時間は無情にも別れを運んで来るものだ。

車から降りたももは、朝と同じような小走りで家に帰った。
私はももにバイバイよりもおやすみと言いたかった。
振り返らないももに、私は車の中で小さくおやすみと呟いた。

Fin




















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ももですけどーーー(≧∇≦)!!
かわいいっしょ!