ビヨンド・ザ・ワールド~光と影~10
【王国連合軍】

(ギルド:シャドームーン)

ゼロが、

ネヴァンと別れ、
シャドムーンに戻った時、
ギルド内では、

ジライヤの持ち帰った情報で、
騒然としていた。
ゼロの持ち帰った情報とも
合致するものであった。

現ギルドマスターのエルも、
愕然としていた。
そんな中、
ただ一人、
「そんなのは、
全部蹴散らせばいいんだよ!」
と、

雷帝・マヨエルだけは、
喜んでいた。

ゼロは、
苦笑しながら、
マヨエルを見ていたが、
「石板の地で待つ」
という、
ヴァラックからの
挑戦状ともとれるメッセージが、
頭の中を反復していた。

大臣デウス
「王国の危機....
王国騎士団と連携をとり、
殲滅させなければなりませんな。」
デウスが言った。
エルは、
そんなデウスの言葉を聞き、
エル
「連合軍....。
そうですね。
時間はありませんが、
迎え撃ちましょう。」
と、
我にかえった。
そして、
エル
「ギルド幹部は、
マスタールームへ。
各ギルメンは、
戦闘準備を!」
大声で、
指示を出した。
そんな中、
デウスは、
ゼロに近づき、
「で、
マスターゼロ、
石板の地には、
心当たりは?」
と、
問いた。
しかし、
ゼロには、
心当たりはなかった。
ゼロ
「いや、思い付かないね。
残念だけど....。
おそらくは、
今回、光った石板の事だとは、
思うけど...。」
そう言って、
ゼロは、
慌ただしく目の前を
走るギルメン達を
眺めていた....。
【異界からの使者】
その夜....

ゼロは、
また、
霧の中にいた....

ここ最近、
毎晩の事であった。
そして、
いつものように、
何かが、
近づいてくる....

しかし、
この夜は、
声がはっきりと
聞こえたのだった...
「ゼロよ....」
と、
聞き慣れた声が....
(まさか?、この声は....)
その時、
霧が晴れた....
そこは....

モノクロの世界であった。
そして、

トルネコがいた...
「これは、夢なのか....?」
ゼロは、
思わず口にした....。
「夢....とは、少し違うニャ...。
しかし、
現実とも違う....。
何から話せばいいかニャ..。」
トルネコは、
そう言って、
ゼロの横に並んだ。
トルネコ
「ここは、
夢の中ではなく、
死者の世界....、
異界ニャ。
例の
『創世記の書』に出てくる異界.....。」
ゼロ
「....異界....。」
トルネコ
「そうニャ....。
ワシも来たばかりで、
わからニャイ事ばかりじゃがな。
しかし、
ワシは、
死ぬ前に、
『創世記の書』を
読んでおったから。」
トルネコは、
一息ついた。
ゼロも改めて、
異界の様子を眺めた。
ふと、
疑問が浮かんだ...。
ゼロ
「でも、
この世界には、
お前1人しかいないのかい?」
そうなのだ。
見渡す限り、
動いているモノがない....。
トルネコは、
フッ、
と笑い、
トルネコ
「いや、
ウジャウジャいるニャ、
死人が(笑)。
しかし、
お前には、見えん。
呼び込んだ者しか、
見えん。
それが、
この世界のルールらしい...。」
ゼロ
「呼び込んだ者?」
トルネコ
「そうニャ。
『創世記の書』の通り、
現世界、
天界、
魔界、
異界、
があり、
この4つの世界は、
『ゲート』、
と呼ばれるモノで、
それぞれ繋がっておる。
現世界と異界では、
『夢』がゲートとなるのニャ。
しかし、
異界からの一方通行....。
何度もお前にコンタクトを
とっておったが、
なかなか繋がらなかったのニャ。」
トルネコは、
さらに続けた。
トルネコ
「そして、
コンタクトは、
一名のみ....。
ワシは、
お前さんを呼んだ訳ニャ...。」
そう言って、
トルネコは、
近くの石に腰掛けた。
トルネコ
「異界から眺めていたが、
『光の教団』、
いや、
ヴァラックの野望は、
止めなければならん。
そして、
魔剣もな。」
ゼロもトルネコの横に、
腰をおろした。
ゼロ
「トルネコ、
『創世記の書』には、
何が書いてある?
で、
「石板の地」って?」
ゼロがトルネコに問う。
トルネコは、
その問いを聞き、
思わず、手で顔を撫でた。
トルネコ
「そうだニャ.....。
時間も無い....。」
トルネコは、
そう言って、
真顔になり、
語り出した。
トルネコ
「『創世記の書』は、
各世界の詳細や
各世界の「ゲート」について....。
までしか、
解読出来なかった。」
トルネコは、
淡々と続けた。
トルネコ
「「石板の地」は、
分からん....。
実際のところ、
預言の内容をふまえて、
色々とは、
考えているけどニャ...。」
そう言って、
トルネコは立ち上がった。
トルネコ
「そろそろ時間かニャ。
ところで、
お前には見えんが、
ソルフェージュが近くにきておる。」
トルネコが、
不意に言った。
ゼロは、驚いた。
ゼロ
「ソルフェージュが異界に....。
だから、
お前は、
おいらに知らせたのか...。」
ゼロは、
辺りをキョロキョロとしたが、
気配すら感じ取れなかった。
トルネコは、
そんなゼロの様子には
気に止めず、
トルネコ
「時間だ、ゼロ。
何か分かったら、
また、連絡する....。」
トルネコが、
そう告げると、
辺りがまた、
霧に覆われていった.....。
つづく♪