ビヨンド・ザ・ワールド~光と影~7
【南の王国へ】
(光の教団本部)

エル達一行は、
光の教団本部に、
調査に入った。
待ち構えていた、

ヴィーデは、
余裕綽々で出迎えた。

エル
「教皇にお会いしたい。」
という、
エルの問いにも、
ヴィーデ
「残念ながら、
教皇様は、
遊説に出られておいでです。」
と、
笑みを浮かべて答えていた。
エルは思った。
(くっ、先を越されたか....)
そんなやり取りを遠目で見ていた、

ゼロは、

グレイに、
目配せをした。
そして、
グレイは頷き、
その場を離れた。
そんなに簡単に尻尾は掴めないであろう。
しかし、
今回の監査で何か動きがあるはず....。
幹部を尾行し、証拠を掴む。
ゼロは、そう考えて、
グレイに隠密行動を取るように
予め指示をしていた。
ゼロの目の前では、
エルの指揮で、
次々とシャドームーンのメンバーが
光の教団本部に入っていった。
ゼロは、
しばらく、
その様子を見ていた。
しかし、
ゼロの頭の中は、
夢の中の影が言った言葉....
「ソルフェージュは、いない。」
その言葉が
駆け巡っていた。

光の教団4代目教皇
ソルフェージュ
教皇は、いない....
どういう事なのか?
ゼロは考えていた....。

ネヴァン
「どうしました、ゼロ?」
そんな様子を見て、
ネヴァンが言った。
ゼロ
「いや....。
ちと、気になる事がねえ~。」
そう言って、
ゼロは腕を組んだ。
ゼロ
「ネヴァンは、
光の教団の教皇って、
知ってるの?」
ゼロがネヴァンに問いかけた。
ネヴァン
「教皇のソルフェージュですか?
一度、謁見を求めましたが、
ダメでしたね。
ただ、
たしか、
彼女は、
我々の南の王国の出身ですね。」
ネヴァンが答えた。
ゼロ
「南の王国.....。」
ゼロはそう呟き、
考え込んだ....。
そして、
近くにいたシバに、
言った。
ゼロ
「シバ、
エルに伝えといて、
おいらは、
ちと別行動をさせてもらう、と。」

シバ
「了解しました....。
誰か付けますか?」
シバは、
何かを察し、
答えた。
ゼロ
「いや、
南の王国へは、
ネヴァン殿と。」
シバ
「では、
ネヴァン様と南の王国へ転送を....。」
ゼロ
「あぁ、頼む。」
ゼロは、
そう言い
ネヴァンの隣へ並ぶ。
シバ
「では....。」
シバは、
魔力を高め、
転送地を念じた....。
「ハッ!」
シバの気合いと同時に、
二人の姿が消えた....。
「お気をつけて....。」
シバが、
二人のいた辺りに言った....。
(南の王国)

周囲を山々に囲まれた南の王国、
南の王国は、
山から発掘される、
数々の鉱石により、
発展した王国であった。
ネヴァンがマスターをしていた、
ギルド「風の旅団」は、
南の王国の御用達ギルドである....。
ゼロ
「さて、
どうしますかね♪」
ゼロが
背伸びをしながら、言った。
それを見たネヴァンは、
ゼロに聞いた。
「そうですねぇ。
私に心当たりがあるんですが...、
ところで、
マスターゼロは、
蜘蛛は大丈夫ですか....?」
【ダークナイトの悪夢】
(光の教団とある施設~地下牢)

地下牢の中には、

疲労しきった、
ダークナイトが横たわっていた。
その様子を
牢の外から、

アベラールが見ていた。
アベラール
「おい、起きろ!
また、ひと仕事してもらうぞ、
ダークナイト!」
アベラールは、
そう言って、
人差し指と中指をたて、
額にあて、
目を閉じた。
そして、
アベラール
「幻術!」
ダークナイトに幻術をかけた。
「ぐっ!」
ダークナイトは、苦痛に襲われた。
さらに、
幻術の世界に取り込まれた....。
アベラールが
ダークナイトに
優しく語りかけた....。
アベラール
「また、
お前の愛しいソルフェージュの為に、
新しい魂が必要だ....。
村人を殺せ、
そうしなければ、
愛しいソルフェージュが、
また死んでしまうぞ...。
ソルフェージュの為に、
村人を殺せ、
村人を殺せ、
ソルフェージュに、
村人の魂を捧げよ!」
ダークナイトは頭を抑え、
這いつくばる。
ダークナイト
「うぉー、
やめてくれぇ、
許してくれぇ、
ソルフェージュ....。
俺は、
俺は、
お前を
殺めた...、
でも、
お前が生き返るために、
新しい魂を
お前に捧げている...
新しい魂を....。
まだ、
必要なのか?
ソルフェージュ....まだ...」
ダークナイトの目から、
血の涙が流れた。
そして、
ダークナイトは、
立ち上がった。
ダークナイト
「俺は、
お前の為に、
魂を捧げよう!
お前に、
不死を与えよう!
ソルフェージュ、
俺は地獄に落ちてもよい!
お前のためならば!」
ダークナイトは、
魔剣:ソウルイーターを
手に取り握りしめた....。
アベラールは、
その姿を見て冷たく微笑んだ。
三日後、
山奥の村の住人150人が、
忽然と、
姿を消したのだった....
つづく♪