母からの手紙
前回書いた『学級だより』には、
合唱コンクールを見た保護者からの感想も掲載されていた。
僕の母親も書いてくれていて、
当時、その内容に少し感動したことを覚えている。
確かちょっとプライバシーに関わりすぎる部分があって、
「あれ、本当に載せていいのか?」と先生に確認された記憶がある。
もちろん、匿名で載せているのだけど、
きっと僕の友達でも、わかる人にはわかっただろう。
今日、あらためてそれを読み返し、
また改めて、感動してしまった。
この文集は新居には持っていかないから、
また読み返したくなったとき(そんなときがくるかな?)のために、
ここに転記しておこうかと。
以下、転載です。
素晴らしい歌声をありがとう。
感動が目からあふれ出てくるのを、どうしても止めることができなかった。
皆の合唱を聞いていたら、そして、歌っている時の皆の顔を見ていたら
君が小さい時のことを思い出してしまった。
君を初めてこの手に抱いた時のこと、
「おかあさんのばかやろう」と怒鳴りながらドアを棒でボコボコにしてくれた時のこと、
(註:何かで怒られて、外に放り出されたときのことです)
14年間のいろいろな思い出が、まさしく走馬燈のように頭の中を流れていった。
いつの間にこんなにたくましく成長していたのだろう。
君の心はナイーブで、そして君はあまり感情を表さないことで
自分のやわらかな心を守っているように見えて
お母さんはとても心配していた。
でも、心配するだけでなんにもできなかった。
親なんて無力なものだ。
だけど、目の前で歌っている君はしっかりと自分で歩き出していた。
そうか、お母さんはオロオロしていただけだけど、
友達が、先生が、そしてお兄ちゃんや君のまわりのたくさんの人たちが
君を育ててくれていたんだね。
お母さんやお父さんの身勝手で、
君やお兄ちゃんには大変迷惑をかけてしまった。
長い人生にはいろいろあって、
それはまあそれで仕方がないことなんだけれど、
子供にとっては迷惑と困惑以外の何物でもないだろう。
でもそんなアクシデントを乗り越えて、
すっくと育ってくれた君を見ていたら、
お母さんは、皆にありがとう、ありがとうとお礼を言って歩きたくなった。
たくさんの人から「宝石」をもらったんだね。
自分の心にも「宝石」を見つけたんだね。
そして40を超えたお母さんの心にも君たちの歌声は新しい宝石を届けてくれた。
お母さんは、○○(僕の名前)、お兄ちゃんの◎◎(兄の名前)と巡り会えて
本当に良かったと思う。
君たちと巡り会えなかったら、こんなに豊かな人生は過ごせなかったに違いない。
お友達に、先生に、そして○○にありがとうを言いたい。
素晴らしいプレゼントだった。
お父さんにも聞かせてあげたいね。
ところで、こんな親だけど、これからもひとつヨロシク!