『崖の上のポニョ』を机の上のPCから語る
昨日はレイトショーにて「崖の上のポニョ」を見てきました。
うーーん、面白いことは面白かったのですが、
個人的には少し消化不良感が残ります。
ただ、今までのジブリ作品と比較して、
結構驚いた部分がいくつかありました。
(まだご覧になっていない方もいらっしゃると思うので、詳細は避けますが)
ただ、いつになくスロースターターだな、と思ったら、
割とそのままスローペースで最後までいったな、という感じ。
映画館で、子供が飽きていた、というのは、分かる気がする。
ジブリでは必ずといっていいほど描かれている、
「人間の業」みたいなものも、
今まで以上に表に出てこなかったかな、と思う。
そういうシーンやセリフは確実にあるのだけど。
ただ、5歳の男の子「ソースケ」と、その母「リサ」とのやりとりは、
自分の弱い部分を突かれた感じでした。
声優を担当された、山口智子さんは、本当に素晴らしかったと思います。
映画館で映画を見るのが、すごく久しぶりで、
まばたきをするのを忘れていたこともあり、
その弱い部分を真っ向から突かれたシーンでは、
何故か右目だけボロボロ涙が出てました。
目の疲労にしては、涙の量が多かったので、
多分感動の成分も含まれていたのだと思います。
ただ、そのシーンが来るのは序盤~中盤というところで、
その先は、ちょっとテンポがもたつく感があり、
少々突然過ぎるように感じる展開もあり、
映画としてのハイライトがあまり感じられないまま、
幕を閉じたような印象でした。
でも、とりあえず子供の描写がとても可愛らしかった。
ソースケくんはとてもいい子でした。
以前、プロデューサである鈴木敏夫氏が、
プロフェッショナルに出演されたとき、
こんなようなことを言っていた。
(確かDVDに収録されていた「未公開VTR」の中だったと思います)
「映画には、何も考えずに見て楽しめるものと、
色々なことを考えさせられて、
その考える過程を含め楽しくなっていくものの2種類しかない。
今の時代、映画に求められているものは、
見終わった後も引きずって色々考えるものだと思うし、
作り手としても、やっぱり色々考えているともっと楽しくなるよ、
というようなものを作りたいという思いがある。
ただ、同時に、映画という『娯楽』は、
見終わった後『あー楽しかった』となって、
それで終わり。それ以降のことは考えず、日常に戻っていく。
そんな姿を、どこかで『健全なもの』と考える自分がいる。
そういうものを作れないのか、とどこかで思っている。
『映画』というメディアがもつ、分相応の役割がきっとあり、
それがどこまでなのか、という線引きをいつも作りながら考えている」
ポニョは、見る人によっては、
何も考えずに見て、「あー楽しかった」で終わる映画かもしれない。
僕自身、見ている過程で、これまでのジブリ作品の中では、
そこまで思考を巡らすことは少なかったように思う。
でも、「ジブリ作品」だからという理由で、
色んなことを考えようとしている自分がいるのも事実だ。
そして、色々考えさせられるトピックも、
それなりに散りばめられていたとも思う。
無理矢理に過去のジブリ作品から似ているものを選ぶとしたら、
うーん、『耳をすませば』かな。
大仰なクライマックスがあるわけはなく、
そこまで考えさせられるポイントが前面に出ているわけでもない、
という点において。
てことで、今からDVDで『耳をすませば』でも見てみようかな。