雨と涙と 前編
今日は首都高が渋滞していたので、
会社から練馬ICまで下道でいき、そこから関越に乗るルートを選択した。
降りる予定のICに近づくと、唐突に、ものすごい勢いで雨が降り始めた。
今流行の、局地的な集中豪雨というやつだ。
雨は、まるで意思を、それも悪意を持っているかのように、
フロントガラスへ降り注ぐ。真っ直ぐに。
その真っ直ぐな軌道がはっきりと視認出来るほど、強い意志が込められているみたいだ。
関越は、その地点から50km規制になった。
関越の50km規制は、雨が本当に強い証拠だ。
視界の大半を奪われたまま、ICを下りると、
下道はもっとひどいことになっていた。
3~4cmくらいだろうか。
道はすっかり冠水していた。
もう「川」と呼んでも、さほど比喩には聞こえない。
そんな中を、僕の車は、まるでオフロード車のように水しぶきを上げて走っていく。
たまにニュースで見かけるような状態だ。
こんなときに気をつけなくてはならないのは、
対向車が上げる水しぶき。
津波のように僕の車に向かってきては、
フロントガラスを飲み込んでいく。
時間にして、約1秒。いや、もう少し短いか。
それでも、その間僕の視界は完全に奪われ、
僕は滝の内側から世界を見ているような錯覚に捉われる。
こうなっては、ワイパーもさほど意味がない(即効性、という意味で)。
前の車がブレーキを踏んでいた時のために、軽くブレーキを踏んで速度を落とす。
でも、僕のフロントガラスに波を送った対向車が、
一つ後ろの車にも同様に波を送っていることを考えると、
急ブレーキを踏むことも、とてもリスクが高い。
とにかく視界が確保できるまで、慎重になるしかない。
また、同様に気をつけなきゃいけないのは、歩行者への配慮。
これが案外、忘れがちになってしまう。
僕自身、車に水を引っかけられたことがあるのだが、あれは本当に困る。
すごくブルーになる。
だからそれ以来、雨の日は特に歩行者に気を配るようにしている。
そして、実は今回の免許の更新時に知ったことだが、
交通違反の中には「泥はね運転」というのがある。
点数はないが、大型車で7千円、普通車・二輪車で6千円、原付でも5千円の罰金だ。
だから、というわけでもないけど、
雨の日に、歩行者のそばを走るときには、注意が必要だ。
今日はいいスーツを着ていたし、靴も茶革だったので、
最初は雨が止むまで車の中で待機しようかとも思ったが、
途中に寄ったガソリンスタンドの店員さん曰く、
雨がその勢いで降り出してから、既に30分は経過しているとのことで、
そうそう簡単に止んでくれそうにない。
まぁ駐車場から玄関までは10歩もないから、と諦めて、
全速力で玄関に入っていった。
つづく