人のやさしさに触れた日
今日は、一昨日の『あいかた』に登場していただいたご夫婦と食事をしてきました。
どうやら僕が少し疲れているのを見透かされていたらしく、奥様の方から誘っていただきました。
ありがたいことです。本当に。
人のやさしさに触れたとき、心ってゆるやかにほどけていくものだと実感しました。
そういう人に、僕もなれていたらいいな。
ただ、疲れていた原因が、何か特定のきっかけがあったというわけでなく、
今までのものが積み重なったものだと思うから、
その原因を聞きだして、慰めようとしてくれたお二人には、何だか悪いことをしてしまった。
ごめんなさい。
人前で愚痴を言うのは、あまり得意ではないです。
そんなこんなで、何だか他愛のない会話に終始したわけですが、楽しかったです。
中華料理屋に入って、注文が終わったあと、ご主人が突然、
「そういえば、エビチリ食べたいって言ったんだった」
とおっしゃいました。
えっ?
ご主人、初耳です。
んで、追加オーダーしようってなったとき、じゃあエビチリ頼みますか、って言ったら、
「いや、そういえば俺あまりエビ好きじゃないんだった」
とおっしゃいました。
えぇっ??
ご主人、フェイントが鋭すぎです。
何でもご主人の中では「中華料理=エビチリ」という固定概念があり、
「エビチリを食べたい」って言わなきゃいけない強迫観念に駆られたみたいです。
こんなこと言っちゃ失礼かもしれませんが、かなり良質の天然素材ですね。
観る者全ての度肝を抜く、その鮮やかなフェイントは、もはや天賦の才です。
そんなこんなで、ありがたいことに心和まされてきました。
奥様から色々な話を聞くけれど、なんだかんだでとってもいい雰囲気の夫婦でした。
「夫婦」っていいものだなと思った、珍しい経験でした。
音楽では、それぞれの和音の中で不協する「avoid note(避けるべき音)」というのがあります。
でも、ジャズなどの自由度の高い音楽でアドリブをとる際、
時として、敢えてその不協する音を弾くことがあります。
その部分だけを切り出してみれば、ただの不協和音かもしれない。
でも、ソロ全体、曲全体でみると、不協するはずのその音が、鮮やかに輝き、
本当に素敵なソロ、素敵な曲になることが多々あります。
それは、人生にも、人間関係にも、仕事にも通じることだと思います。
その時に必要なのは、その音を受け入れることの出来る心の広さ、器の大きさ。
それさえ忘れなければ、きっといつか、鮮やかに輝くものへと変わっていくはず。
うん、笑っていよう。出来る限りでいいから、笑っていよう。
涙を受け入れてくれる人が、僕の周りにいてくれるのだから。