巨椋池の事故の多さは半端ないという話は数度しました。いまから10数年前の12月、思い出深い交通事故に遭遇しました。近鉄駅から程近い学校前の水路のある交差点で朝の8時過ぎにそれは起こったのです。接触事故で男性がバランスを崩して運悪くその水路に転落。相手側の年配の女性はパニック状態でした。私は事故の瞬間は見ていないのですが、ちょうど川に転落した男性に二名の救命士が蘇生術、心臓マッサージの最中でした。名前は知りませんが顔ははっきり見えたでしょうか。30代の働き盛りな男性でした。わたしは朝からまた大変なものを見てしまったなと思うだけで既にいろんな方がやってきていて対応されていましたので私は素通りした訳です。
帰宅時にふとその場所を見渡すとお花や食べ物が添えてあって「亡くなったんだな、可哀相に。」と思い、1年2年と経過するなか事故の日とお盆には顕花が絶えません。ああ、あの男性は家族に愛された生前はとても良い方だったんだなと知るにつれ、名前は解りませんがいつしかその場所で私は手をそっとあわせるようにしていました。
そんなある日、深夜の飲み会で終電ギリギリで帰って来て、真っ暗なそのいつもの夜道を通っていると前のほうで男性らしきシルエットが見えて私を確認すると軽く会釈をしたような印象に見えました。私は視力が悪いので凝視してみると、そのシルエットがすっと確かに消えていきました。冬の深夜は空が高く澄んで美しいしかなり明るいのです。地上のほうがうんと暗くまるで切り絵のような幻想的な美しさでした。恐いというよりなんともいえない光景で別に慌てて逃げ出す事もしなかったかな。
今もその事故を覚えてらっしゃる方は他にもいるのでしょうか?今日は女性警察官の方がその事故現場で警戒監視されていました。