なんば周辺は私の母方の実家で小さい頃は母の兄が鉄道模型やプラモデルが好きだったので僕はほぼ毎週入り浸りでそのおじさん家に遊びに行くのが大変な楽しみでした。虹の町(いまのなんばウォーク)や千日前デパート(今のビックカメラの場所ですね)はそのおじさんといっしょに行けば玩具なんかはサラリと買ってくれたので嬉しくて嬉しくて....そら毎週入り浸るよね。そんなおじさんは母に叱られてたっけ。
忘れもしない土曜日の夜だったと記憶しています。ものすごい勢いで沢山のパトカーや消防車が家の前を通り過ぎていきます。あまりにもうるさかったので寝ることが出来ずに不思議がっているとおじさんが「火事や!凄い火事やで!!見に行こう!!!」とおじさんが騒ぎ出します。「あほなこと言いなや!」と廻りの制止を振り切って自転車で突撃。にもかかわらずすでに凄いヤジウマでどこが火事なのかさっぱりで僕を肩車させて「どこら辺が燃えてるんや?」と聞いてくるので「あ!千日前のデパートが燃えてるんとちがう?」ということでズンズン進むわけですが凄いヤジウマで動けない状況が続いたのですがようやくかなりビルのあたりまで見えるようになりました。私は肩車の上でしたのビルの真下や消防士の消化状況などよく見えていました。
ビルの上から「マネキンがたくさん落ちてくる!」と言った記憶があります。ビルの突起物やひさしにぶつかってはあちこち向きを変えながら落ちてくるのが見えます。「地面にスイカやメロンがパシャーン!パシャーン!とつぶれているよ!」とか「ぶどう酒の瓶がパリーンと割れる」とか色々見たままおじさんに伝えるわけです。おじさんは我にかえったように「もうええ、帰ろうや.....。」といってとぼとぼ帰ったかな。
千日前デパートビル火災で体験して覚えているのはこれくらいで、後に大変な心霊スポットとなり、数々の怪談が生まれているというのは私自身、ここ最近知ってあらためて驚く次第です。