創業139年の特殊鋼販売会社、天彦産業は社員39人のうち10人が女性。
約30年前から女性社員を「セールスパートナー」と呼び、男性と職種の垣根なく営業や事務を任せてきた。
5代目の樋口友夫社長は「社員の少ない中小企業は女性にも一人前に働いてもらわないと経営が成り立たない」と台所事情を明かす。
2005年就任の樋口社長は一般職の枠を廃止。男性社員も含む全社員に、子供の学校行事がある日は必ず休むよう業務命令を出した。有給消化の徹底や、男性社員の育休取得も強く推奨した。
女性の活躍の場を作ろうと07年に発足したチーム「TWS(天彦ウェブセールス)」は会社の稼ぎ頭だ。きっかけは01年に初採用した語学力のある大卒女性の提案だった。
第1子の育児休業から復帰する際、飛び込み営業や力仕事ではなく子育て中でも着実にできる仕事をと、小口取引が主な特殊鋼の海外向けの販売サイトを立ち上げた。
するとアジアや中東から問い合わせが殺到。英語の得意な女性を6人に増やして取引先を開拓した。
今年は同社の売上高の3割超をこのチームが稼ぐ見通しだ。
女性の勤続年数は7年を超え、この10年間で2倍以上に。近年では年数人の新卒採用に男女2千人の志望者が集まった事もある。
樋口社長は「働きやすさを追求すれば業績はおのずとついてくる」と胸を張る。
