
金曜の夜、久しぶりの飲み会。ビール片手に昔話に花を咲かせながらも、ふと気づけばスマホの通知が気になっている自分がいた。
「明日の子どもの練習、集合時間は何時だっけ?」
かつては、飲み会の途中で帰る人を見ると「付き合いが悪いな」と思っていた。だが今は違う。自分の中に“優先順位”という軸がはっきりと見えてきたのだ。
週末のビールは確かにうまい。普段は缶ビール1本で満足するのに、誰かと話しながら飲むとついついもう1杯、もう1本と手が伸びる。
それでも、翌朝に残るのは後悔ではなく、「やっぱり家で飲む時間が一番落ち着くな」という小さな気づきだ。
大切なのは“どこで飲むか”よりも“誰とどう過ごすか”。家族と向き合う時間に価値を見出せるようになった自分を、少し誇らしく思う。
社会人になってからずっと、「付き合いが良い人」が評価されてきた。でも今の時代は、“自分のペース”を大事にする人が信頼される。
無理に遅くまで付き合うより、翌日の子どものイベントに全力で臨む方が、よほど自分らしい生き方だ。
「飲み会よりも家庭」「お酒よりも時間」──そんな選択ができるようになったのは、きっと大人になった証拠。
そして何より、子どもの頑張る姿を見届けたいという気持ちが、何よりのエネルギーになっている。