17階のオフィスで働いているが、昼休みに1階に降り、外をブラブラ。石で出来た花壇のヘリに腰掛け、ほどなく会社に戻る。
午後の仕事に取り掛かろうとしたとき、机の上に明らかに自分の身体からと思われる蟻🐜が飛び降りてきた。
あれ?と思った直後、さっき石のヘリに腰掛けたときについてきたのだと直ぐにわかった。
今更どうすることも出来ず、仕事に集中
蟻の存在も忘れ、そろそろ仕事も終わりかけた矢先、隣の社員の机の上に蟻が。
あの蟻だった。
殺生はしない主義らしく、隣人は黙って見守る。
ふと、思った。この蟻は帰りたいのでは?
捕まえようとしたが、逃げられてしまった。
果たしてこの蟻が元の地面に帰れるのか?
その確率たるや数万分の一もないだろう。
エレベーターに乗れるわけもなく、窓も開かない。
もし、帰れるとしたら、また誰かにくっついているしかない。
だが、そんなことわかる筈はなく、只管歩き回り地面を探すだろう。
要するに蟻自体、どんなに智恵を搾っても、体力を使い歩き回っても、無駄なのだ。
蟻を見ているうちにあることを考えた。
人の人生も同じではなかろうか?
智恵と努力で如何に頑張っても幸せになれる保障は、、、?
武田鉄矢がこんなことをラジオ番組で言っていた。『人間、どんなに努力しても金を稼いでいても運のある奴には叶わない』
こんな台詞を思い出した。
要は蟻が帰れるかどうかは運しかないということ。
人も最後は運があるかどうか?
これが究極なのだ。
蟻と同じく、たかだか智恵や努力だけで蟻が17階から降りて地面に戻るが如く、人の幸せなんて人知を超えているのかも知れない。
最後は運なのだ。