派遣社員から同じ仕事をしているのにどうして社員と受けとる報酬が違うのかと訴訟を起こされ、会社側が負けるという判決が出たので、その対応策として、敢えて派遣社員とは違う仕事をするという奇策に出た。
実際は同じような仕事をしているのに、名目は呼び名を変え、うわべでは違うように見せかける。
例えば、Aという業務を派遣社員にやらせ、社員はAという業務の管理をするという名目にする。
一見、責任を負わされ大変と見えるが、実際は業務をこなしている派遣社員のほうがいかに大変か、少し考えればわかることだ。
しかも、業務のミスは結局派遣社員のせいにする。
そしてこれまでは、派遣社員は社員と情報を共有されては困るとばかり、時には社員と派遣社員との対話すら許されない風潮があった。時間給で雇っている派遣の妨げを社員がしたら、会社として損失になるからだ。
だが、これは建て前、実態は派遣社員に要らぬ情報を与えて仕事と報酬の格差を訴えられたらたまらないと思う会社側の都合が見え見え
実はこれからやろうとする働き方改革は、それと同じ仕組みを社員にも作ることだ。
社員同士の要らぬコミュニケーションはこれまでの派遣と社員の関係と等しくなくすべきものとされ、益々人間が分断されて行く。
益々、低い報酬で働かされ、消費は冷え込み、経済が低迷していくのは火を見るより明らかだ。
それなのに経済団体の要望である働き方改革をこのまま許していいのか、甚だ疑問である。