最近あのネタ以来、これといった情報が取材班からもたらされないでいた。
できればあのネタ、そうアイスバインを越えるものを期待していた。
日に日に取材班には冷徹になり、新しいネタを急かすようになった。
『この際、捏造でもいいから、なんか持ってこい‼』
取材班のアリアとユバ子はキツイ要求に嫌気が差していた。
アリアには溺愛していた猫がいたが、ストレスからか、猫にも辛く当たるようになった。
ある朝気づくと、横に寝ているはずの猫がいない。
呼んでもなんの返事もない、家中探すも出て来なかった。
猫の名は奈々、心底大事にしていただけに、ショックだった。
辛く当たっていたことに後悔した。
食事も喉を通らず、数週間が経った。
どこからか、猫の鳴き声が、、
奈々・・・・
間違いない、奈々だ!
『奈々~‼』叫びながら、玄関の扉を開けると奈々が居た。
嬉しかった。めいっぱい抱き締めた。そして、何度も謝った。
気のせいか、奈々のお腹が少し大きいように感じた。
ま、まさか!どこかの野良猫と寝たのか?!
でも、今のアリアには、奈々が帰ってきただけでよかった。
それからまた奈々との平和な日々が続いた。
だが、不安は的中。
奈々は身籠っていた。
だが、孤独なアリアにとって、家族が増えるとあって、さらなる喜びと捉えるのであった。
