第71回 立正安国論 ただ民衆の安穏のため 希望と勝利の対話を! ~ より
立正安国論の客人との対話の最後に「客の曰く…是れ私曲の思いに非ず則ち先達の詞に従いしなり、十方の諸人も亦復(またまた)是くの如くなるべし、」
(私は阿弥陀仏だけを信じて諸仏をなげうち、浄土の三部経を仰いで諸経をさしおいたのは)自分勝手な思いからではなく、先達の言葉に従っただけである。全国の人々もまた同様である。
正法を誹謗する罪は重く、破壊する罪は深いことが分かったと述べます。また、念仏を崇拝してきたのは、自分の考えではなく、先達の言葉、すなわち法然らの言葉に従ったためであるとします。ここに重大な問題が指摘できます。現代でも全く同じですが、人は物事を判断する際に、時として自らの眼でも信念でもなく、周囲の評価や評判に左右されてしまいがちです。ましてや権威や、権力のある立場の人の意見であれば、なおさら鵜呑みにしてしまうでしょう。だからこそ、指導的立場にある人間の責任、いな、罪はあまりにも重いのです。大聖人が呵責されているのも、この点です。人々を惑わし、不幸に陥れる思想そのものを、さらにはそれを吹聴する権威の高僧たちを、悪の根源として厳しく戒められているのです。
これは、ネット社会の現代ではより一層当てはまってしまう。
その意見はどこまで、自分の考えなのか?どこからどこまでなのか?すべてなのか、一部分なのか?新ためて考えると、自分の意見と思っていたものは、朝、読んだ新聞の意見だったり、たまたま見ていたテレビで評論家が言っていたものであったり、最近では、ネットで見たからだったり…
昨今の政治で例えると、与党、公明党は自民党と一緒になって戦争のできる日本にしようとしている!! そのネタ元は何新聞ですか? と聞きたい。いったいそんなことを発表したのか?また、新聞によっては自衛権にタガをはめるな(サンケイ、読売など)
憲法九条を護るために公明党よ頑張れ(朝日新聞など)
自分がどの新聞を読んだかによって、主張が左右される。
いったい自分で考えた論調など、みんな持っているのか?
アンチ連中の意見の99%は法華講の出している彗妙からだったり、ネットで何度も使い古された根も葉もない噂話だったり、残りの1%はデフォルメして盛ったものであったり…
果たして700年前も現代もあいも変わらず受け売りの意見を自分の意見と勘違いしている世間の人々がいる限り、政治も社会も決して良くはならないだろう。