新年早々大変なことが立て続けに起きて、お祝いムードは吹き飛んでしまいましたが、本年もどうぞよろしくお願いいたします。

放射線治療を終えてから行った年末のハワイ旅行ですが、無事オアフ島とハワイ島に行ってくることが出来ました。
素晴らしい旅行で、まさに冥途の土産になるものでした(笑)。

何回かに分けて書きますが、まずは準備編から。

旅行自体は随分前から主治医に相談していたのですが、旅行直前の入院の間に急展開で色々病状悪化が分かりました。
入院中に毎晩妻に毎日電話しながら、旅行はあきらめるという言葉が喉まで出かかりました。
前に書きましたが、担当医の先生からは行くべきですと背中を押してもらいました。

それに、旅行より治療を優先しても、結局のところ年末に出来ることはとても限られていることが分かりました。

そんなこんなで、旅行に行く決心をしました。


ですが、海外で病状が悪化することは、よくよく考えておかなければなりません。
退院の時点ではまだ痛みが相当残っていて、本当に行けるのか?と半信半疑でした。

かなりシビアな話が含まれますが、がん患者でよく言われる「最善を期待して、最悪に備える」の後者に関する検討です。
元々悲観的な検討は得意な性格(笑)なので、いくらかは割り引いて読んでもらえればと思います。

まずは、入院中に医師からの英文の書類を用意してもらいました。
私もどういう書類が必要になるのか分からなかったのですが、入国の際に薬の持ち込みで引っかかった時や、病状悪化で医療機関に駆け込んだ時に説明がつくものという感じでお願いしました。
結局、薬については入院中に医療用麻薬に分類されないもの(トアラセット)に切り替えたため、病気についての文書のみとなりました。
封をする前にぱっと見せてくれましたが、なんだか数行程度しか書かれていない感じがあり、これで説明がつくのかやや不安でした(文書料が1万円を超える代物なのですけど)が、至急で作ってもらったものですし仕方ありません。

次に旅行保険です。
プライベートの旅行の場合、クレジットカード付帯の保険で済ませることが多かったのですが、出国前に判明している持病については基本的に対象外となります。
申告不要で、疾病に関する応急治療・救援費用として300万円まで付いてくるAIG損保の保険にネットで申し込みました(保険料は10日間で1万円弱)。
ただし、300万円で医療費がとんでもなく高い米国(ハワイ)でまともな治療を受けるとなると足りませんので、日本に帰国するまでのつなぎの治療程度で考えました。

あと、滞在中に注意すべき自覚症状について考えました。

1つ目は間質性肺炎です。
今回の放射線照射は肺に当たってはいない、と説明されました。
ですが、おそらくゼロではなく、放射線肺炎を起こすレベルではない、と考えた方が良さそうです。
問題はタグリッソで、副作用に間質性肺炎があり、罹ってしまうと結構シビアです。
過去のタグリッソ服用では起きませんでしたが、今回は放射線照射の影響がありますので、可能性はゼロではないと思います。
自分の呼吸の違和感に注意しながら過ごす必要があります。

2つ目は小脳転移の影響です。
私の脳転移は1cm以下の小さいながら多発(5~6個)とのことでした。

脳に放射線を当てるなら、状況的に全脳照射になる言われました。
しかも、やや大きい目に見えたものが1つあり、それが小脳にあるものでした。
小脳転移は進行すると運動機能に影響が出るそうです。
ふらつくとか、手足が動きにくくなるとか、そういう感覚が出てないか注意する必要があります。
また、脳転移の進行では吐き気に注意とという話も聞きました。

最後は、骨転移の痛み発生です。
現在判明している骨転移は3か所で、1か所は今回放射線治療をしていません。
痛みがまだ出ていないので、今回の緩和の放射線治療から外されました。
旅行は10日間なので痛みが出始めても何とかなるかなという思いと、今は痛み止めのために感じてないだけでは?という思いが交錯して、なかなか判断が難しいです。

そんな感じで心配が多い状況でした。
朗報は、出発前日ぐらいから痛みが軽減されてきたことでした。
放射線治療の効果が出始めたのか、トアラセットが本格的に効き始めたからかは分かりません。
ですが、荷物を鞄に詰めながら、本当に行けるのか?から、何とかなるかも?という楽観的な考えも出てきてました。

そんなこんなで、不安を抱えながらも、少し気を楽にして出発しました。

(続く)