いろんな方から既に投稿がありましたが、私も第64回日本肺癌学会学術集会の患者・家族向けプログラム(ペイシェント・アドボケイト・プログラム)にオンラインで参加しました。
肺がん患者としては4年生も終わりかけですが、今回初めての参加です。

いろいろ他に予定があって全てのセッションに出席できたわけではないのですが、大変勉強になりました。
記憶を元に書いている(あまりメモを取らなかった)ので間違いがあるかもですが、備忘録として書きます。

一番の印象は、手術療法、放射線療法、薬物療法の垣根が低くなってきていることでした。
私の場合、ステージ4ということもあり、これまで手術療法や放射線療法についてほぼ何も学んでませんでした(ガイドライン等も大抵読み飛ばしてた)。
ですが、最近は医学の進歩もあって、その境界も一律ではなくなってきている印象でした。
一通りきちんと学んでおかないといけないなと改めて思いました。

手術療法については、もちろん、手術手法の進化の歴史など、手術療法そのもののお話が多くありました。
一方で興味深かったのが、周術期に免疫チェックポイント阻害薬や分子標的薬が使われるようになり、その成績が見えるようになって分かってきたことがあるというお話でした。
術前術後の薬物療法についてセッションが組まれてて、手術とは一見無縁なステージ4の患者にとっても参考になるお話でした。

私の場合は、(主治医から出番がなさそうと言われている)免疫チェックポイント阻害薬を使うのか使わないのか、使うならいつか、が気になるところですが、皮膚症状などの副作用が出る方の方が成績が良い傾向がみられるとか、術前投与が効いた方で摘出組織にがん細胞が見つからなかった(それ程よく効いた)方が散見されるとか、投与後すぐに効く方は長く効く傾向にあるとか、興味深い話が多かったです。

放射線療法については、最近の放射線照射の高精度化についてのお話にフォーカスされてましたが、がん細胞の形、呼吸による動きに合わせた正確な照射が多くの(専門医がいるまともな)病院でできるようになっているとのこと。
とにかく早い目にご相談ください、と言われていたのが印象的でした。

ステージ4の患者でも、姑息照射(姑息って。。。)で放射線療法を考えなければなりませんが、相談するタイミングは難しい問題です。
放射線科に相談するにしても、その前に内科医(主治医)の判断に大きく依存します。
セカンドオピニオンとは違いますし、タイミングが難しいなと思います。

もちろん、ステージ4患者にとって一番大事な薬物療法についても一通りのおさらいもできました。

注目を集めているアミバンタマブですが、日本のグループで副作用が大きく出ていて、許認可に影響があるかも?とのこと(ここに書いていいか怪しいですけど)。
きつい副作用の情報をブログに投稿されている患者さんもおられますし、一筋縄ではいかないお薬なのだろうと思います。
他にも前向きな話、後ろ向きな話がありました。
エンハーツが承認されて話題になることが多いADCには頑張って欲しいところです。
MET増幅用に期待していたテポチニブは残念ながら中止とのこと。

あと、LC-SCRUM-TRYのEGFR-TKIの耐性後の患者を対象とした解析結果(のアップデート)もありました。
私の不勉強で、タグリッソのFLAURA試験のデータぐらいしか知りませんでした。
(現時点で新薬の試験がある)MET増幅やC797S変異の出現割合はFLAURAのデータより減っていて、遺伝子変異は多様化がより進んでいる感じがありました。
私にはある意味でbad newsで、私が主治医にLC-SCRUMについて聞いた時に特にポジティブな反応ではなかった理由が分かった気がします。

そんなこんなで、色々学ぶことが多かった3日間でした。
今回は現地参加できませんでしたし、遠隔参加したのは医師の講演が中心で、患者が中心になって企画されているセッションにはほとんど出れませんでした。
体調が許せば、来年は現地参加したいなと思います。