昨日OAされたNHKスペシャル 「世界に響く歌 ~日韓POPS新時代~」を観ました。

 

SNS等では色んな意見が出ていて、BABYMETALやPerfumeなど2010年代から海外進出しているアーティストが取り上げられないことも指摘していました。

 

番組を見ていないという方はNHK+で動画配信されていますので気になる方は観てください。

 

 

 

 

番組ではYOASOBIが昨年アメリカのフェスに初参加した模様を中心に、K-POPの海外進出の成功の要因、J-POPの現状と海外進出成功の可能性などにも触れていました。

 

YOASOBIのアイドルは昨年最もヒットした楽曲と言っても過言ではないし、ワールドチャートなどでも軒並み1位を獲得していました。

 

紅白でもトリ前という曲順で、日韓の出場していたアイドルがダンサーとして共演していたのも記憶に新しいですね。

 

さて、番組を見て自分なりに思ったことがありましたので、番組の感想も含め意見したいなと思います。

 

その前にMicrosoft Edgeに標準装備されたBingAI(ChatGPT)にJ-POPとK-POPの海外進出に関する分析をしてもらいました。このような回答になりました。

 

J-POPとK-POPの海外進出については、様々な観点から比較や分析がされています。私は、以下のようなポイントを挙げることができます。

以上のように、J-POPとK-POPの海外進出には、音楽の特徴や戦略の違いが大きく影響していると言えます。J-POPが海外進出を成功させるためには、K-POPの事例から学ぶことも必要かもしれません。しかし、J-POPにはJ-POPならではの個性や魅力もあります。それらを活かしつつ、海外の人にも伝わるような音楽を作ることができれば、J-POPもグローバルな市場で活躍できると思います。 

 

という感じです。なかなかいい分析だと思います。番組内でも韓国が1997年の通貨危機から文化産業の海外輸出を本格化し、日本市場から徐々に海外進出を行ったということ。日本ではCDからデジタルへのシフトが遅れたため海外進出が遅れたなどの分析を行いました。

K-POPは国を挙げての支援があったことも大きいのですが、僕はこの他に欧米音楽が入ってきた時期の影響も大きいのではないかと思いました。1997年といえばちょうどヒップホップ/R&Bが欧米の音楽市場の中心になりつつあった時期。つまり韓国はヒップホップ/R&Bの影響をかなり受けたということになります。

日本はというと1950年代エルヴィス・プレスリー、ベンチャーズ。そして1960年代のビートルズの影響が大きく、今も日本のベース音楽はロックです。

つまり、韓国は今の欧米市場に入りやすい状況であったということになります。日本はヒップホップ/R&Bは2000年代に一大ブームとなり1ジャンルとして定着はしましたが、主流の音楽にはなりませんでした。

この差はかなり大きくて、現在進行系の音楽市場を作りやすく、目指しやすい状況がK-POPの海外進出成功の要因だと思います。

あと、日本では未完成というのが良しとされますが、これは日本くらいなもので、欧米含め他国はしっかりした技術と芸術性があるのが基本であって、未完成なものについての評価はほぼありません。この点も海外進出では重要な部分であると思います。

 

さて、これらの要因を鑑みて、日本のアーティストが海外進出で成功するにはどうしたら良いのかを考えます。一つの見本はやはりBABYMETALであると言えます。METALというニッチジャンルに特化し、歌唱・ダンス・演奏・ステージ構成・楽曲すべてが高い技術と芸術性を持ち、それを常に進化させている。日本では2014年の武道館公演の時点でこの及第点はクリアしていましたが、現在の位置まで来るのに10年近い時間がかかりました。その間継続的に海外公演を行い、海外のメタルアーティストとの交友を行ってきたことも成功の要因だと思います。

これを現在の日本のアーティストにできるかというとかなり厳しいでしょう。楽曲レベルに関してはオリジナリティというところも含め日本の音楽が海外に通用する可能性はかなり高いですが、問題はやはりサポート面とビジネス面でしょう。

継続的に海外活動するというのは金銭面だけではなく、進出先のプロモーターとのやり取りやプロモーションなども重要になってきます。

K-POPはこの面でもかなりやり手な感じがしますね。しっかりビジネス面で利益が出るような準備もしていますし、逆にプロモーションには金に糸目をつけないくらいしっかりやるというようなこともしています。

日本の音楽業界は音楽面ではなく、こういったビジネス面をK-POPから学ぶべきではないでしょうか。

 

K-POPも問題点が無いわけではないです。アーティスト寿命がやはり短いなと思いますし、同じような楽曲やダンス、アーティスト像というのが続いていると飽きられてしまう可能性もある。またR&B中心の楽曲構成は今は良いですが、それがオリジナリティがあるかというとちょっと違う気もします。また育成についても問題点が色々と指摘されているという点も見逃せません。

オリジナリティで言えば日本の音楽のほうがかなり個性的です。なかなか受け入れられないが、一度ヒットしてしまえば長く愛される可能性がありますし、その曲を聞けばアーティストの顔が浮かぶという点ではJ-POPの方に軍配が上がるかなと思います。他方、ダンスレベルや歌唱レベルに関してはもっとアップさせなければならないでしょうし、何より日本語で歌うということへの誇りをもっと持つべきだと思いますね。

 

ということで、番組の感想から、日本の音楽の海外進出について書いてみました。番組ではYOASOBIのAYASEは今年LAを拠点にしたいと言っていました。こうした姿勢は凄いなと思いますし、チャレンジしてほしいなと思います。

今年は海外進出に挑むアーティストが増えるのではと予想しています。たくさんの日本の楽曲が世界各国で聴かれる様になるのが良いなと思います。