機動戦士ガンダムの監督である富野由悠季監督の最新作「Gのレコンギスタ」。

 

2014~15年にかけてTVシリーズ全26話が放送。そして2019年からは全5部という長編作品として、映画版がスタート。新カット・再編集により、よりGレコの世界がわかりやすく、そして熱くなったストーリーが新たなファンを獲得しています。

 

そして、第四部である「激闘に叫ぶ愛」が7/22(金)より全国劇場公開。

更に最終章の第五部「死線を越えて」が8/5(金)より公開予定となっています。

 

ということで、第四部観てきましたので、ネタバレなし感想と、是非劇場版観てほしいので、このGレコという作品についてちょっと解説してみたいなと思います。

 

まず第四部「激闘に叫ぶ愛」について。でその前に第三部までは現在BD/DVDでリリースの他、配信レンタルもされていますし、アマゾンプライムでは見放題になっているので、是非こちらを観てから劇場に足を運んでほしいなと思います。

 

 

 

 

物語は、フォトン・バッテリーという、Gレコの世界では唯一のエネルギー源を供給元であるヴィーナスグローブという場所から輸送するための宇宙船「クレッセント・シップ」に、主人公であるベルリ・ゼナムらがいる船「メガファウナ」が接触した第三部終盤の続きからになります。

 

TVシリーズだと大体19~22話あたりの話が第四部になります。基本的な物語の流れは同じで、ヴィーナスグローブのジット団が登場し、さらに戦域を拡大していきます。

そしてヴィーナスグローブでリギルド・センチュリーの真実を知ったアイーダ・スルガンらメガファウナ一行は、再び地球を目指していきます。

 

そこでは、スコード教の象徴であるカシーバミコシの占有を巡って、キャピタル・アーミィとアメリア軍との戦いが繰り広げられていました。

 

という感じですね。

 

新作カットが結構多くて、特にヴィーナスグローブでの話はかなり細かく説明がありました。結構重要なセリフもたくさんあるので、ここは実際に見て確認してほしいなと思います。

 

そして、G-セルフのパーフェクトパックが登場します。あのフォトントルピードという兵器の描写については、TV版ではちょっとあっさりめですが、劇場版はあの兵器の威力と影響というのが丁寧に描かれています。ここはある意味恐ろしさの象徴の場面なので丁寧に描いてもらったのは本当に良かったなと思いました。

 

細かな違いはたくさんあるのですが、基本はTV版で描ききれなかった部分を描いているという感じです。そのあたりでTV版で不満持っていた方は納得できるのかなと思いますね。

 

あとちょっとだけネタバレします。やっとというか、G-アルケインが変形します!どういう形になるかは劇場で確認してくださいね。

 

ということで、全般Gレコを観てきた方は満足できるのかなと思います。多少TV版との整合性を取るのに苦労してるかなというのも見えるのですが、概ね良いと思いますし、ストーリー展開や個々のキャラクターが生き生きしているのは、やはり富野監督という感じですね。

 

第五部がかなり楽しみになってきたという作品でした。

 

さて、ここからはGレコについてちょっとだけ解説します。こんな動画もあるので合わせて観てくださいね。

 

 

Gレコの世界はガンダムの世界ユニバーサルセンチュリーと続いた世界と言われていますが、UCからどれくらい経っているというのは具体的な数字は示されていません。ただ、化石燃料が枯渇し、宇宙から供給されるフォトン・バッテリーというエネルギーが唯一のエネルギーで、それを運ぶための宇宙エレベーターとその周辺地域を巡って、争いがあるという世界、リギルド・センチュリーという世界の話です。

 

当初TV版はあまり評価が高くありませんでした。というのも独特の用語やその解説、世界観の説明などがあまりなく、視聴者からよくわからないという声が多かったというのが理由のようです。

 

ただ、ガンダム世代の自分に取っては、1stガンタムの時と同じような感覚がありました。よくわからない用語もその世界では当たり前の言葉であって、それをわざわざ説明することは無いだろうと思っていたし、この作品は一度観ただけではわからないように作ってあると思いました。

 

1stガンダムでもミノフスキー粒子という架空の物質があったり、ジオン軍がなぜ連邦と戦っているのかも最初よくわからなかったし、シャアは途中から裏切るし笑、アムロはよくわからないけどニュータイプって言われるようになるし、と当時のアニメでは全く出て来ない用語ばかり出ていた作品でした。でも何度も再放送で見ると不思議と覚えるんですよね。

 

それがGレコでも当てはまったという感じです。なので、今回の劇場版はそのあたりがかなり丁寧になっているので、初見の方でも世界に入りやすいかなと思います。

 

富野監督独特のセリフ回しは軽快に感じることがあるし、あとやっぱり世界観がしっかりしているんですよね。しっかりとした土台があって、この世界が構築されているというのが、セリフの一つでもわかるし、建物のデザインやモビルスーツのデザインでも感じます。

 

あと圧倒的にSFで作っているというのが伝わってきます。サイエンス・フィクションなんですよね。ありそうであり得ない世界を作っている。

 

実際、富野監督はインタビューの中でこのGレコを、宇宙進出への否定というような表現で表しています。実際に宇宙エレベーターは作れないし、宇宙エレベーターの途中にあるナットと呼ばれる施設に絵はかけないし、宇宙に人が住むということは今の技術では到底不可能だということをお話されています。

 

否定から肯定を作ると言うのは富野作品によくあることです。富野監督は自身をあまり高く評価されない傾向があるのですが、こんな世界を作ってしまえるっていうだけですごい方だと思いますね。ガンダムだけでなく他の富野作品も素晴らしいし、ダンバインやブレンパワードなどの世界観も素晴らしい。どの作品にも人と自然の関わりが描かれているし、それがとても現実的でときに残酷であったりすることもしっかり描いている方だと思います。

 

個人的にはGレコもいいのですが、ターンエーガンダムはぜひ観てほしい作品ですね。1999年の作品で今から20年以上前になりますが、今の世界に通ずる物が沢山あります。

 

今回のGレコも富野監督自身「このメッセージは50年残る」と仰っていました。

 

 

ということで、解説というよりもGレコと富野監督に対する思いみたいな文章になってしまいました。

 

個人的には子供の頃夢中になった作品の最新作を、まさか大人になってから観られるということに驚きと感動があります。

 

是非まだ見ていないという方はまず、1~3部から観てもらって、4部5部と観てほしいなと思います。劇場公開はおそらく短期になるのと思うので見逃さないようにしてくださいね。