11月も今日で終わり、2021年も残りわずかというところで、とんでもないバンドに出会ってしまいました。

 

Måneskin (マネスキン)というバンド。

 

イタリアのバンドで、男女混成の4人組。これがめちゃくちゃカッコいい。しかもまだ20~21歳という年齢。

 

きっかけは、BS朝日で放送中のベストヒットUSAの毎週発表しているCOUNTDOWN USAというコーナー。

全米のラジオチャートをもとに集計してベスト20を発表しているのですが、そこでなんと6位に入っていたのがマネスキン。

 

リルナズXやザ・ウィークエンド、ドージャキャット、オリヴィアロドリゴ、エド・シーラン、ジャスティン・ビーバーなど、ポップやヒップホップといった現在進行系の音楽の中に、違和感ありありのロックナンバーが6位にランクインしているんです。これは引っかかりますよね。

 

で、調べました。

 

メンバーは、 トーマス・ラッジ(g)/ ダミアーノ・デイヴィッド(vo)/ ヴィクトリア・デ・アンジェリス(b)/ イーサン・トルキオ(ds) の4人で、現在20~21歳。ギターのトーマスとベースのヴィクトリアは中学からの同級生で、高校の時にボーカルのダミアーノとドラムのイーサンとでバンドを結成。これが2015年くらいとのこと。

 

2017年にEP「 Chosen 」をリリース。ベストヒットUSAにランクインしていた「Beggin'」も収録されています。

 

2018年には1stアルバム「 イル・バッロ・デッラ・ヴィータ 」がイタリア国内で1位を獲得。この時点でブレイクしているんですね。

 

世界的に注目されたきっかけが今年2021年5月に開催されたユーロビジョンという、欧州のバンドが勢揃いするコンテンストがあり、そこで優勝。ヨーロッパ全体に人気が広がり、またTikTokなどによって注目度が世界中に広がったという感じです。

 

日本ではローリング・ストーンズが7月末に早くも単独インタビュー記事を掲載してました。

 

 

彼らの音楽は、70年代のロックをかなり意識した楽曲。ボーカル・ギター・ベース・ドラムのシンプルな構成なので、今の音楽シーンの主流からするとかなり空き空きの感じなんですが、これがカッコいい。そして、ボーカルのダミアーノの唯一無二とも言える歌声がよりロックを感じさせます。ざらついた声質とセクシーな歌い方が個性的。

 

ギターもシンプルなリフからギターソロに至るまでの展開もロックの定石を踏んでいながらも、ある意味空きのない演奏が良いですね。上手いと思います。

 

ローリング・ストーンズや公式サイト等を見てもらうとわかりますが、ファッションも70年代をかなり意識しています。最新曲「MAMMAMIA」のMVを観ると衣装もメイクもグラムロック的な感じでカッコいいですね。

 

 

 

 

最近の曲は英語詞のものもあるのですが、イタリア語歌詞で歌っているのも多いです。これが意外と違和感ないです。むしろ個性的というかバンドの特徴にもなっています。

 

UKを中心としたヨーロッパは英語詞が多いものの、フランスやイタリア、ドイツ、北欧などは母国語の曲も結構ありますよね。ところがアメリカ進出となるとやはり英語詞が中心となり、母国語での楽曲はリリースしなかったりすることが多かったと思います。これはひとえにアメリカは英語以外は受け入れないというのがあったからだと思います。

 

ところが、ここ数年は変化してきて、英語以外の曲、英語圏以外のアーティストが活躍することが多くなりました。今年でいうとBTSもそうだし、日本だとBABYMETALがそうです。

 

YouTube等のネットメディアを中心とした音楽の広がりが言葉の壁をアメリカでも超えつつあるということが、マネスキンのアメリカでの注目度が高まった要因なのかもしれません。

 

まだ日本では、音楽が好きで洋楽が好きで新しい音楽情報を仕入れるのが好きな方くらいしか、マネスキンのことを知らないんじゃないかと思います。

 

ですが、このバンドは今後要注目ですよ。

 

似たようなところでは、グレタ・ヴァン・フリートというバンドがあります。彼らは70年代のハードロックを意識した楽曲と演奏で注目されました。

 

しかしグレタ・ヴァン・フリートはアメリカのバンド。もともと英語圏のバンドです。

 

マネスキンは英語圏以外のバンドで、70年代のロックを意識しながら、現代の音楽の骨子を上手く取り入れています。カバーもしていますが、エド・シーランやエイミー・ワインハウスなど、ロック以外のアーティストの楽曲を取り上げています。

 

今後の音楽の広がり、そしてバンドの進化に注目してほしいバンドです。