第68回グラミー賞 結果
先程第68回グラミー賞の受賞結果が発表されました。WOWOWの生中継をリアルタイムで観ていたのですが、今回はかなり革新的な内容になったと思いました。まだ観ていない方は完全ネタバレになりますのでご注意ください。Grammy | The Recording Academy | News, Performances & VideosWe are a movement powered by 30,000 active songwriters, performers, producers, and industry professionalswww.grammy.com第68回グラミー賞授賞式®世界最高峰の音楽の祭典「第68回グラミー賞授賞式®」の模様を放送&配信。www.wowow.co.jp主要6部門の結果は以下の通りです 年間最優秀レコード:luther/ケンドリック・ラマー&SZA 年間最優秀アルバム: DeBÍ TiRAR MáS FOToS/バッド・バニー 年間最優秀楽曲: WILDFLOWER/ビリー・アイリッシュ 最優秀新人賞:オリヴィア・ディーン 年間最優秀プロデューサー(ノンクラシック):サーカット 年間最優秀ソングライター(ノンクラシック):エイミー・アレンとなりました。まず一番最後に発表された年間最優秀アルバム賞について。受賞作ははバッド・バニーの「DeBÍ TiRAR MáS FOToS」でした。WOWOWで解説していましたが、このアルバムは全曲スペイン語歌詞という内容。つまり他国言語のアルバムが年間最優秀アルバムを受賞したという、過去にない結果となりました。バッド・バニーはプエルトリコ出身のアーティスト。全曲スペイン語のアルバムは正直驚きました。ラテンアメリカ系のアーティストが受賞する事はありましたが、だいたい英語詞だと思いますので、他言語の楽曲が受け入れられる環境がアメリカで整いつつあるというこのなんだと思います。YouTubeやSpotifyなど世界各国の音楽が手軽に聴ける環境だからこそなのかもしれません。年間最優秀レコードはケンドリック・ラマー&SZA。ケンドリック・ラマーはここ数年常連とも言えるくらいグラミー賞に作品がノミネートされています。2015年の受賞からアメリカのヒップホップシーンを牽引しているアーティストと言えるでしょう。そして、昨日も話題にしました閃光のハサウェイの主題歌を歌ったSZAが主要部門初受賞となりました。年間最優秀楽曲はビリー・アイリッシュとなりました。また最優秀新人賞はオリヴィア・ディーンとなりました。主要部門は1作品の独占ということではなく、それぞれが分かち合った形になりましたね。その他、気になったところは、先日来日公演を行ったレディ・ガガは最優秀ポップボーカルアルバムと最優秀ダンス・ポップレコーディングを授賞。これだけの経歴があるにも関わらずまだ主要部門の授賞は無いそうです。最優秀新人賞にノミネートされていたローラヤングは最優秀ポップパフォーマンス(ソロ)を授賞。本人が一番授賞に驚いていましたね。授賞式では表彰されていませんでしたが、ヤングブラッドが最優秀ロックパフォーマンスで授賞。これは本当に嬉しかったですね。授賞式前に報じられていたのですが、今回の授賞で個人的に一番嬉しかったです。ちなみに最優秀メタルパフォーマンスは Turnstileが授賞。この部門にはドリーム・シアター、スピリットボックス、Ghost、SleepTokenがノミネートされていました。 Turnstileは最優秀ロックアルバムも受賞しており、正直?がつく結果かなと思いました。ロックアルバムは良いとしてもメタルパフォーマンスはどうだろうって思いましたね。バンド・サウンド確認したのですがメタルというよりもハードコアなので、メタルに対するグラミー賞の認識が少し違うのかなと思いました。授賞式はオープニングパフォーマンスにブルーノ・マーズ&ロゼのAPTから。オリジナルとは異なりロックアレンジされていてかなりかっこよかったです。K-POPアーティストが授賞式でパフォーマンスするのはBTS以来。女性ではロゼが初となりました。ロゼはBLACKPINKに所属しています。印象に残ったはトリビュートパフォーマンス。まずオジー・オズボーンのトリビュートはすごかったですね。ボーカルにポスト・マローン。ギターはスラッシュとアンドリューワット。ベースがダフ・マッケイガン。ドラムがチャド・スミスですからね。ポスト・マローンが意外に良かったです。観客席にはオジーの奥さんと娘さんもいて少し涙ぐんでいたのが印象的でした。その後すぐに行われたのが、ディアンジェロ&ロバータ・フラックトリビュート。メインボーカルはローリン・ヒル。そこに数々のゲストボーカリストが登場する形でパフォーマンスされました。まさに圧巻のステージでしたね。ただちょっと気になったのが、オジーは一曲のみ。ディアンジェロ&ロバータ・フラックはそれぞれの代表曲のメドレーという形で、明らかにディアンジェロ&ロバータ・フラックが長かった。ロック/メタルというのが今やアメリカでは過去の音楽になってしまっているという証になっていたように感じました。ただ、他のパフォーマンスでは結構ロックテイストのアレンジが多かった印象もあり、ここ数年のロック回帰もまだ残っているのかなとも思いました。それから今回の授賞式でのスピーチでは移民問題を取り上げているアーティストが多かったです。新人賞を受賞したオリヴィアディーンは祖母が移民ということで、ここ最近アメリカで問題となっている移民問題に言及していましたね。そしてバッド・バニーも同様でしたし、ビリー・アイリッシュのスピーチでも言及していました。参加者にはICE OUT( 移民・税関捜査局(ICE)は出ていけ)というバッジをつけた人もいて、日本でも問題となっている移民問題は根深いものがあるなと感じました。授賞式の司会は6年連続となった トレバー・ノア。今回の授賞式を最後に司会を降りるそうです。本人が話していました。来年は誰が司会者になるでしょうか。ということで第68回グラミー賞。受賞結果や授賞式を観て思ったのが、ここ数年、特に2020年代のアメリカの音楽はかなり保守的。突出した音楽というのがほぼなく、ある意味安心して聴けるような楽曲やアーティストが多い気がします。そして、この年代を象徴するようなジャンルというのが無く、ありとあらゆる時代の音楽が並列的に存在している印象があります。これはアメリカのみならずイギリスや日本でも同様に思います。原因の一つはやはりインターネットによる音楽配信の普及ですね。年代に関係なくいい音楽(生き残った音楽と言い換えても良い)ものがいつでもどこでも手軽に聞ける環境がそうさせていると思います。新しいジャンルもあって、特にハイパーポップは数年前にはかなり盛り上がっていた印象がありますが、アンダーグラウンド的になってしまいましたね。この傾向はまだ続くと思いますね。ただ、今回のグラミー賞でバッド・バニーが主要部門を受賞したのはかなり大きな出来事で、英語以外の言語でもしっかり評価される環境になったということになるので、ラテン圏のみならずアジア圏のアーティストにもチャンスが広がったんじゃないかと思います。今回ロゼが参加したAPTが主要部門にノミネートされていましたが、惜しくも授賞までには至りませんでした。アジア人初の主要部門授賞は是非日本人アーティスト出会ってほしいなと思います。