【書名】面白いほど役に立つ 図解人を動かすリーダー力
【著者】新将命
【発行日】2009年1月25日
【出版社等】発行:大和書房
【学んだ所】
・業績をアップさせるリーダーになる5つのポイント
①計画を成功させるには?⇒「SMART目標」と「PDCサイクル」を活用しよう。
- 設定する目標は「SMART目標」で:目標がうまく達成できない、というときは計画の設定段階を見直してみる。⇒目標の達成率は、目標の設定段階で80%が決まると言われる。正しい目標設定をすることで、目標の達成率は上がる。⇒正しい目標設定の条件は「SMART目標」の5つのポイント。
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S=Stretch(ストレッチ):目標は総じて、すこし無理をしなければ届かないレベル、すなわちストレッチを必要とする目標(=背伸びやジャンプで届くレベル。いわば「やってやれないことはない目標」)でなければならない。
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M=Manageable(マネジメント可能):目標は、3つ、多くても4つに絞り込むことで達成率が高まる。⇒マネジメント可能とは、目標を実行可能な数に絞り込むこと。⇒目標はマネジメント可能であってこそ実現性が高まる。
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A=Accepted(納得):目標は納得目標でなければならない。⇒同じ目標でも、「強制目標」と考えている人と「納得目標」と思っている人では、後者のほうが「やったるで!」という意欲が3倍近く高くなるといわれている。⇒会社がやってほしい目標と、社員がやりたい目標を一致させるためには、とことん話し合うことが肝心。
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R=Resource(リソース):目標を達成するには、リソース(=資源)が必要。⇒ヒト・モノ・カネ・情報・時間という経営資源の裏付けが必要。竹ヤリでは戦争に勝てない。
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T=Time(期限):何ごとにも期限がある。目標には「いつまでに」「なにを」「どの程度まで」という時限設定がなければならない。⇒期限のない目標はない。目標も期限設定がある事で達成率が上がる。
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目標は昇り龍のPDCサイクルで達成しよう:目標の達成率は、目標設定の段階で80%以上が決まる。⇒SMART目標は、成功率を80%に押し上げる方法。問題は残りの20%⇒残り20%の鍵となるのが「PDCサイクル」
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目標を達成させるプロセスでは、PLAN(計画)、DO(実行)、CHECK(改善)=PDCサイクルが欠かせない。
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計画には、常にやってみなければわからないところがある。したがって実行には、必ず途中で計画通りにコトが運んでいるのかをチェックする過程が必要。⇒多くの人は、計画立案するが、チェックを疎かにしがち。チェックがなければ、改善はなく、改善がなければ、行動の質は上がらない。⇒正しいPDCサイクルとは、実行プロセスの中でポイント、ポイントでチェックを重ねること。⇒そして計画どおりに進んでいない点があれば、その原因を究明し、必要な是正措置を取ることが必要。
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最初のチェックで問題の存在と原因を確認したら、改善策を立てる。ここまでが1サイクル。ここから2番目のPDCサイクルが始まる。⇒そして2回目のチェックでも、同様の原因追及、改善を加え、3番目のPDCへと進む。=これが一回転するたびにレベルアップしていく「昇り龍のPDCサイクル」
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チェックと改善のないPDCは、その場でくるくると回転するだけの「ハツカネズミのPDCサイクル」に過ぎない。
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計画の立て方は「コ―シャス・オプティズム」で:リーダーは結果を出さなければならない。そのためには計画は不可欠。
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稲盛和夫氏は、「計画は悲観的に」「実行は楽観的に」と言っている。=これが基本。⇒英語には「コ―シャス・オプティズム」という言葉がある。=「考え方は慎重に、実行は明るく楽天的に」という意味。⇒計画の段階では、悲観的にトラブル、悪条件を想定し、前もって対応策を計画に織り込んでおく。そして実行段階では、「必ずできる」という信念を持って、楽観的に明るく実行する。
- 相手の心を打つのに口達者である必要はない:話術とは、自分の思いを相手に的確に理解してもらうための技術。話がフルーエント(流暢)であることは、必ずしも条件ではない。訥弁でも相手の心を打つことはできる。⇒相手の心に言葉が届くためには、口達者であることより大事なことが4つある。
- 話の中身(コンテンツ):話は中身が問題。中身のない話=コンテンツのない話は相手に伝わらない。
- これだけは伝えたいという熱意:話には「絶対にこれを伝えたい!」という熱意が必要。若干の能力不足は熱意で補うことができる。
- 相手にわかる言葉や表現を選ぶ:「人を見て法を説け」というが、相手と波長を合わせることは、コミュニケーションの原則である。
- 場数を踏む:話すというのも、1つのスキル。訓練をすれば、ある程度までは伸びる。⇒場数を踏むことで表現力は上がる。⇒しかし、ただ場数を踏んでいるだけでは伸びないこともある。それは経験から学ばないからだ。
- 「4つのルール」で表現力を高めよう:訥弁でも熱意とメッセージに中身があれば、相手に伝わるから話がヘタでもよいという結論にはならない。⇒話のヘタな人と、うまい人の違いのひとつは表現力の差。⇒せっかく中身のある話でも、表現力がないばかりに、うまく相手に伝わらないのは、宝の持ち腐れとさえ言える。
- 表現力を上げる4つのルール:訥弁の人でも次の点を守れば、表現力を上げることができる。
- 事前に準備し、論理的な筋書きで話す:思いつきで話すのではなく、事前に話の筋を準備することが大切=事前に話の筋を考えそれに沿って話す。
- 五感に訴える表現を心がける:「メラビアンの法則」によれば、人は話の内容以外の情報から大きな影響を受けている。⇒聴き手には、話の中身よりも前に、相手には態度や表情、それに声の調子に自信や熱意があるかというほうが強く伝わる。=無理に長い話をしようとせず、短い話をテンポよくつくないでいくほうが効果的。
- 相手の目を見るように心がけ、大きめの声でゆっくり話す:落ち着いた物腰というのは、相手に対しては自信のある態度に映るとともに、自分自身の気持ちを落ち着かせるというメリットがある。⇒相手の目を見ることによって反応を確認できる。反応によっては、あえて深追いはせず、話題を変えるという選択もできる。
- 内容が伝わっているか、ときどき確かめる:「要約するとこうなります」と、途中で話の内容をまとめて理解を促すきっかけをつくる。「この点をどう思いますか?」と問いかけてみるのも効果的な方法。
- 「ATM」を心がけて仕事をしよう:部下に良い仕事をさせるには、まずリーダー自身が仕事を楽しんでいなくてはならない。⇒リーダーが暗くて、不機嫌で、ネガティブであっては、部下が前向きに頑張ろうという気持ちになるはずもなく、それでは部署の業績も上がらない。⇒リーダーたるもの、自ら努力して意識的にATM(明るく、楽しく、前向き)であるべき。⇒そのためには、「思考」「声」「姿勢」「表情」を意識的に変える。
- 思考:「なぜダメか」⇒「どうすればできるか」
- 声:小さな声⇒大きめの声
- 姿勢:姿勢が悪い⇒姿勢を良くする
- 表情:笑顔がない⇒常に笑顔を見せる努力をする
- ATMを習慣化するために、言葉づかいにも気をつけてみる。⇒否定的、消極的な言葉は、できるだけ使わず、肯定的、積極的な言葉を選んで使う。⇒「〇〇したいと思います」という言葉は、一見問題ないように聞こえるが、「思います」というのは中途半端。しっかりと、「〇〇します」言い切るようにする。⇒部下への「頑張れ」という言葉は励ましのように聞こえるが、しかし、部下に押し付けているように聞こえるので、「頑張ろう」と寄り添う言い方に変える。
- 「できる」と自己暗示をかけて自信を生み出す:自信に満ちあふれるリーダーの表情は、それだけで部下を安心させることができる。⇒自信は自分でつくることができる。⇒人間とは自己暗示にかかりやすい動物。自ら「できる、できる」と自己暗示をかけていると本当にできるようになる。
- 自己暗示には、「自己効力感」を生む効果もある。⇒自己効力感とは、「うん、できそうだ」という感覚。⇒まずは「自分はできる」と強く信じること。それが自信を付ける第一歩。
- ただし、自己暗示が自信となっているうちは良いが、人の心は良きにつけ悪しきにつけインフレーションを起こす。⇒自信は往々にして過信へと変わり、やがて慢心となり、最後は傲慢に形を変えてしまう。⇒傲慢の先には、破滅という化け物がパックリと口を開けて、吞み込もうと待ち構えている。⇒自己暗示は、正しい自信を生むとともに、間違った過信を生むこともある。正しい自信を保ち、けっして過信・慢心・傲慢に陥ってはいけない。
- 夜の接待以外で相手が喜ぶことを考えよう:酒席を設けるばかりが接待ではない。「よけいなお接待」もある。⇒接待とはお互いの人間関係を良好にするための潤滑機能。相手が喜ぶことであれば、それが接待となる。