【書名】自分が変われば組織も変わる
【著者】大久保寛司
【発行日】2003年6月17日
【出版社等】発行:かんき出版
【学んだ所】
・対話というのは、話すことではなく聴くこと。=コミュニケーションの極意は聴くことに尽きる。⇒質の高い対話を行うということは、じつは対話を促進する側がいかに聴く能力をもっているか、また、相手からの意見を聴き出す、もしくは引き出す能力をもっているかということ。
・自分がオープンにならないかぎり、相手も決してオープンになってはくれない。⇒自分は心を閉じておいて、相手には心を開けというのは無理な話。⇒こちらが大きく開いて、裸になって対話するという姿勢になりきれたとき、相手から少しずつ発言が出てくるようになる。⇒みずからを裸にできる力や姿勢が大切。
・相手の意見を引き出す最良の方策の一つは、適切な質問をすること。⇒ただ質問をするのではなく、適切に質問をすることが重要。⇒そのためには、質問する相手がどんな環境で働いているのか、どんなことを思っているのかなど、相手のことを十分に観察する必要がある。⇒適切な質問というのは、相手の状況や課題などが観察できてはじめて可能になる。=質問する側に、どれだけ質問する力があるかで、相手の答えも変わってくる。
・人は、教えられたことをやるのはなかなか難しいが、みずから考えたことには積極的に取り組む。
・ようやく相手が何か意見をいってくれたとしても、自分から見ると愚かな意見だったり、つまらない意見だというのはよくあること。あるいは、まちがっているのではないかと思うこともある。⇒ここで大切なのは、相手の言い分を否定しない。⇒相手から話を聴き出すポイントは、その場で正しいまちがっているかを決めつけたり、判断したりしないで、ひたすら聴き続けること。
・否定された側は、意見を否定されたのではなく、自分自身を否定された、あるいは人格を否定されたと受け止めることがある。⇒また、言葉で否定しなくても、表情で否定していれば同じこと。⇒目や表情、動作も含めて、相手に向かって真剣に聴くことが大事。これらのことができてはじめて、聴く能力、聴き出す能力が磨かれる。
・傾聴=耳をかたむけて聴く、真剣に聴く。⇒こうした姿勢で聴いていれば、必ず相手は進んで自分の意見をいってくれるようになり、結果として、質の高いコミュニケーションが図れるようになる。
・会話が進んでいくと、いろいろな提言とか問題提起がなされることがあるが、大事なのは、それらをいいかげんに扱わないこと。⇒提言にたいしては、「イエス」なのか「ノー」なのか「保留」なのかを明確にする。⇒難しい課題に直面しても、決して逃げ出さない。その場をとりつくろうような説明をすることは、絶対に避けなければならない。
・テーマを決めて対話する、あるいはアイデアを出し合うというような場合、上の立場の人間は決して先に結論をいわないようにすべき。⇒先に結論をいってしまうと、部下は考えなくなってしまう。⇒部下からいろいろな意見が出たら、ひたすらうなずいて聴いていることが大事。⇒意見をいうとき、部下は上司の表情、動作を見ている。⇒そして、上司が「イエス」とも「ノー」ともいわなければ、ボディランゲージを真剣に観察している。