過食が止まらない理由と過食を止める方法 | 札幌 分子栄養学で慢性不調改善 Satoko

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このブログでは慢性的なココロとカラダの不調を改善に導く栄養素、食べ方、考え方、習慣などをお伝えしていきます。

なぜ食べても食べても食べたい気持ちが治まらないのでしょうか?

なぜ甘いものが止められないのでしょうか?

今回は過食が止まらない理由と過食を止める方法についてお伝えします。

 

過食が止まらない理由はとても簡単で、エネルギー不足だからです。

甘いものは手っ取り早くエネルギーが作れるものなので物凄く食べたくなります。

 

ではエネルギーとは一体何でしょうか?

エネルギーというのは糖質、脂質、タンパク質、ビタミン、ミネラルから作られたATPというものです。

エネルギーであるATPは車でいうガソリンです。

エネルギーがないと、身体は動きません。

ガソリンがないと車が動かないのと一緒です。

脳も、心臓も、他の臓器も全てATPがあるから動くことができています。

 

ではエネルギーは何から生まれるのでしょうか?

エネルギーは食べ物から生まれます。

そしてエネルギーを作っている場所は細胞の細胞質とミトコンドリアです。

食べている量が少なければ、

生命維持の危機を感じた脳が沢山食べるように司令を出します。

これによって食べ物を食べたい欲求が収まらなくなります。

過食欲求が起きている時は、身体が仕事をする分のエネルギーが足りていない時です。

 

私たちは気軽にダイエットをしますが、身体からしてみるとたまったもんじゃありません。

身体は命を維持するために、すべての臓器を24時間動かさないといけません。

細菌やウイルスと戦い、傷ついた箇所があれば修復し、食べたものを消化して吸収して、要らないものは排出し、タンパク質を分解してできたアンモニアを無害なものに解毒し、皮膚を常に新しくターンオーバーさせ、血圧も体温も脈拍も一定になるように調節し、血糖値を一定に維持し…

身体の仕事はたくさんあります。

この沢山の仕事をするために5大栄養素が必要なんですね。

 

食事量が少なければ当然エネルギーは少ししか作れません。

何かが多くて何かが少なくてもエネルギーは効率よく作ることができません。

表をみればいかに沢山の栄養素が必要かわかるかと思います。

 

 

減量というのは身体の脂肪をエネルギーの材料にすることで痩せようとする行為です。

食事を減らした分貯蓄しているエネルギーのもとである脂肪を使えば体重が減るという理論です。

もちろん理論的には間違っていませんが、身体としてはかなり迷惑です。

あなたがもし誰かに「銀行に預けている貯金を早めに沢山つかってください」

「そのあいだお給料は支払いません」といわれたとしたらどう感じますか?

ものすごく不安になりませんか?

いつ給料が再開するかもわからない

貯金が減っていくのが不安で怖い

「お給料支払ってくださいよ!」

そうやって言いますよね?

それが身体の気持ちです。

「もっと食べてエネルギーくださいよ!」

そう身体は思うので、食べたい欲求を強めます。

食べないと死んでしまうと思っているので必死です。

そして急にこんな状況になったら大抵の人は節約すると思います。

身体も同じです。

省エネして余計なエネルギーを使わないようにします。

これがいわゆる代謝が下がった状態です。

もちろん痩せにくくなります。

貯金がなかなか減らなくなるということですね。

大抵の人は安心していないとお金を沢山使えません。

つまり身体も安心していないと脂肪は燃やしません。

そこを無理やり極端な食事制限をして、身体に不安を感じさせてしまうので、食欲が止まらない状況になってしまうんですね。

 

ではどうしたら過剰な食欲は止まるでしょうか?

それは身体を安心させてあげることです。

1日に必要な基礎代謝+活動代謝分のカロリーとビタミンミネラルをきちんと確保してあげること。

そして摂った栄養を消化吸収して細胞内まで送り届けられるようにすることです。

しかし、沢山食べていたとしてもインスリン抵抗性などがあって、血液中に糖は沢山あるのに細胞に糖が届けられない状態があると細胞内は飢餓状態なので過剰な食欲は止まりません。

大切なのは細胞内が飢餓状態になっていないかどうかです。

インスリン抵抗性がありそうなのであればその対策をしていく必要があります。

インスリン抵抗性への対策については今後お話していきたいと思います。

 

今は色々なサイトで基礎代謝と消費カロリーの目安を計算してくれるのでぜひやってみてください。

食欲が止まらない人の多くは食事量が足りていない人が多いです。

ここを継続的に満たして身体が「大丈夫そうだな」と安心できたら過食欲求は止まります。

過度な食事制限をすると、血糖値を一定に保つため自律神経と内分泌系(ホルモン)がいつも過剰に動かないといけなくなります。

身体の脂肪や筋肉を糖に変えてその糖からエネルギーをつくるためです。

この状態がずっと続くと脳の機能にも影響を及ぼします。

なぜなら自律神経と内分泌系の司令塔は脳だからです。

司令塔も疲れ果て、適切な司令を体全体に出せなくなります。

心も身体も秩序が乱れてまとまりが無くなってしまいます。

食べたいけど食べたくないとか

悲しくないのに涙が出るとか

満腹も空腹もわからないとか

そうならないためにも身体が安心できる量と質の栄養を摂ることが大切です。

 

食べ物と呼ばれるものを適当に食べていれば身体は動けるわけじゃありません。

エネルギーを作るためにも、

神経伝達物質を作るためにも、

5大栄養素が必要です。

そして、一度狂ってしまった身体はすぐにはもとに戻りません。

過度な食事制限をしていたのであれば、時間をかけて徐々に食事量を増やす必要があります。そうでなければ身体は対処できません。

血糖値も上がりやすい身体になってしまっていたり、食べても消化吸収できない身体になってしまっていたり、インスリンが上手く働かず血糖値は高いのに細胞に糖が届かない状態になっていたり、そんなふうになってしまっているからです。

身体を慈しんで、負担をかけないように健康に導いていけたら身体もきっと助かりますよね。

 

今回は過食についてお話しました。

過食は心理的な側面と身体的な側面が密接に絡み合って起こっているので、

なかなか難しい問題です。

 

過食をしてしまう自分を責める必要はありません。

意思が弱いとか食い意地がはっているとかそういう問題ではないからです。

生きるために必死な身体からのメッセージなだけなので、そのメッセージを素直に受け取って食べていくことが解決の鍵です。

食べる際には食べ物の質に気をつけてエネルギーを生み出しやすい状況をつくってあげられるといいですね。

 

今回はここまでです。

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最後まで読んでいただいありがとうございました。