前回は「インスリン分泌能」について話をしました。

今回は食事によるインスリン追加分泌の違いについてです。

 

突然ですが、みなさんは今日何を食べましたか?

日本はありがたいことに多くの人が毎日、何か食べることができる国です。その食材や調理法も多種多様で「ソレ、元は海外の料理」という物も国民食として親しまれています。そんな外国の料理も馴染みまくっている今の日本食ですが、

基本は米が主体です。

一方、海外では動物性食品が主体の食事があります。その代表が欧米です。

 

この食文化を栄養素で見ると、

日本は炭水化物が豊富欧米はたんぱく質・脂質が豊富な食事と言えます。

 

それを踏まえて下のブラフを見てください。

3大栄養素別、食後血糖の変化のグラフ

図 1997 American diabetes association

 

これは食後の血糖値の上がり方の違いを三大栄養素別に示した物です。

 

ポイントは

・炭水化物(糖質)はスグに上がって、スグ下がる

・たんぱく質と脂質は上がるのも下がるのも時間がかかる

 

つまり、血糖の変化が糖質は瞬発的で、たんぱく質と脂質は持久的ということです。

 

そこから私がお伝えしたいのは、この変化がインスリンの追加分泌に影響を与えるということ。

 

・糖質主体の食事なら、食後の短時間にたっぷりと分泌。

・たんぱく質と脂質主体なら、長時間にわたってチョロチョロと分泌。

 

こんな作用が体の中で起こっていると考えられます。ではここで日本と欧米の食事を思い出してください。

 

日本は糖質が豊富。欧米はたんぱく質・脂質が豊富。

 

ここから想像できるのは、日本型の食事をした場合は瞬発的な血糖上昇が起こり、

欧米型の食事をした場合は持久的な血糖上昇が起こるということ。

 

そんな血糖変動を起こす食事が何百年と受け継がれてきました。

であれば「その地域の人達の体はその血糖変動に合わせたインスリン分泌能を獲得したのではないか?」と私は考えます。

 

つまり、同じヒトだけど、日本人と欧米人ではインスリン分泌の型が違う。

 

言うなら、日本人はスプリンター型欧米人はマラソン型です。なので、その型にあっていない食事を続けると体に負担がかかり、何らかの不都合が生じてきます。

その不都合の代表が糖尿病で、今、日本を含めたアジア圏で起きている

≪肥満じゃないのに糖尿病を発症する≫原因の1つと私は考えています。

 

太れるということ(4)に続く