前回は「インスリンの分泌低下は食事をしないとならないかも?」という話ました。

今回は朝食を摂る子どもの学力はなぜ高いのか?をインスリン側から考えてみます。

 

では皆さん、朝食を摂る前の体はどんな状態だったでしょうか?

前回までの話で分かっている方もいると思いますが、ブドウ糖(血糖)不足によって糖新生が積極的に行われている状態です。

つまり、インスリンの分泌低下は解除された状態です。

 

そこに朝食が体内に入ってきます。

エネルギー源(特に糖質)が欲しい体は積極的に吸収を行うので、血糖は急激に増えていきます。それに伴ってインスリンの分泌量も増加。

その間、宿主である子どもは身支度→登校とバタバタです。大人である私たちもバッタバタですけど・・・。

そんな理由もあり、朝食後の高血糖は長く続かないと思われます。それはつまり、インスリンの分泌低下が早期に起こるということ。

その後、昼食前に再び糖新生が起こりインスリン分泌は上昇に転じますが、食べた後には分泌低下が起こります。

 

一方、朝食を摂らなかった場合はどうでしょう?

夜間の糖新生スタートでインスリンの分泌低下は終わっています。起床後、朝食は摂らないけど活動量が増えるので糖新生はさらに活発化。それによって分泌は上昇または維持と考えられます。

その後、着席メインの授業が続けば分泌低下になるかもしれませんが、期待は薄いと思います。

そうこうしているうちに昼食摂取。これで本格的な血糖上昇が起こり、それに伴いインスリンの分泌が促進。時間が経ち血糖値が落ち着き始める頃、分泌は低下となってきます。

長々と説明しましたが、結論を言うと

 

朝食を摂っている子は午前と午後で計2回のインスリン分泌低下を得ているが、朝食を欠食している子午後の1回しか得ていないということ。

 

つまり、朝食を摂っている子の体内では物事を記憶しやすい状態が多く、それが学力につながっていると私は考えます。

 

受験生やテスト前の皆さん、夜遅くまで勉強するのもいいですが、毎日ちゃんと朝ごはんを食べてくださいね。