前回は「記憶力にはインスリンの分泌低下が関係している」という話をしました。

今回は空腹状態に起こる生理現象、糖新生についてです。

 

糖新生とは漢字からも想像できる通り、

(ブドウ糖)をたにみ出すことです。

これは血液中のブドウ糖(血糖)が少なくなった時、ブドウ糖しか利用できない組織(代表:脳)へ、エネルギー源を供給するために行われます。その原料はタンパク質(アミノ酸)や脂肪(脂肪酸)。

なので、糖新生が起きている間、体内ではタンパク質や脂肪の分解が起きています。

 

こんな話をすると「糖新生を沢山させて、脂肪の分解をいっぱいさせた方が痩せられて良い」と、思う人もいるでしょうが、

 

脂質の分解には手間と時間がかかるので、先にタンパク質を分解して糖を生み出しています

 

だから、「お腹が空いている時は脂肪が燃えているだ~。じゃその時に運動しよう」と安易に思わない方がいいです。ひょっとしたら、貴方の大事な筋肉を分解しているかも・・・。

 

ところで、糖新生が1番活発に行われるのはいつでしょうか?

それは食事と食事の間が最も空く、朝食前と言われています(もし昼夜逆転生活なら、夕食前)。そのため、朝食を抜くことは糖新生を長引かせることになります。

その影響か、朝食をとらない人は筋肉量が少なかったり、肥満傾向にあります

一方、朝食を食べている人は筋肉量が維持できていたり、標準的な体型をしている傾向が見られます。

 

「脂肪を分解→燃焼しているのになぜだーーー??」

 

ですね。でも、生き物の体ってそういうものです。ヒトが考えている上の上を行きます。なので、貴方が健やかに過ごしたいなら、朝食は食べた方がいいですよ。

 

さて、そんな糖新生。始まるきっかけは ≪血糖の減少≫ なのですが、糖新生を加速させるホルモンが 

 

↓↓コチラ↓↓

グルカゴン(分泌元:膵臓)・成長ホルモン(分泌元:脳)・甲状腺ホルモン・副腎皮質ホルモン・副腎髄質ホルモン・・・などなど。

 

血糖を下げるホルモンがインスリンの1強に対し、多すぎませんか?

しかも分泌する臓器もさまざま。どこかの臓器に障害が起きても大丈夫な状態になっています。このことからも、私たちの祖先は食べ物を口にする機会(血糖が上がる機会)が少なかったのだと、想像できます。

 

 

インスリン~君はナニモノ?~(8)へ続く