前回は「太るのはインスリンのせいじゃない」という話をしました。

今回はインスリンのもう1つの役割かもしれない記憶力についてです。

 

以前、テレビでインスリンが記憶力と関係しているという話を目にしました。

 

インスリン=血糖降下

 

としか認識していなかった私にとって、この話は目からウロコでした。

でも、考えてみれば当然かもしれません。だってインスリンは食べ物と関係が深いホルモンで、生き物が1番覚えておきたいのは≪食べ物のある場所≫のはずだから。

なので私は

 

インスリンの量が増えた場所=獲物にありつけた場所

 

という発想で「インスリンの分泌が多い方が記憶力は上がる」と思ってました。

が、しかし、どうやら違ったようです。

 

これはショウジョウバエや線虫での研究ですが、空腹時に学習させた方が満腹時より長期的な記憶が残っていたそうです。その原因として、インスリンの分泌低下が記憶を司る細胞のスイッチを活性化するためとされています。

(詳細は国立研究開発法人科学技術振興機構のhttps://www.jst.go.jp/pr/announce/20130125/index.htmlや日本経済新聞2014年7月18日の記事https://www.nikkei.com/article/DGXNASDG17049_Y4A710C1CR0000/を参照。)

 

となると「勉強、お腹すいた状態でしょうかな」となりますね。

ですが、この研究では過度な空腹では食べ物に関する記憶だけが残るとも記載されています。

 

確かに私も昼食前の授業の記憶はほぼありません。

逆に給食の記憶はあります。

でもそれは、給食が楽しい思い出として刻まれているからかもしれませんが…。

 

 

インスリン~君はナニモノ?~(7)へ続く