前回は「体脂肪は体にとって一石二鳥な存在」ということについて話ました。
とは言え、今の日本で『体脂肪をしっかり貯めよう!!』はスローガンになりません。肥満による健康被害があるからです。
そこで、今回は体脂肪と健康被害について話していきます。
ところで、みなさん、体脂肪が“増えるの”と“減るの”どちらが悪いことですか?
「増える方に決まってる」という声が聞こえてきそうですが、前回までの伏線回収をすると、
体脂肪が増えることは決して悪いことではありません。
なぜなら、体脂肪が少ない、極端な痩せや低体重は太古の人類や野生動物と同じ飢餓による命の危険と隣り合わせの状態だからです。
なので、体脂肪は一定量、必ず要ります。必要な物質です。
ただし、どこに蓄えられているか?が重要です。
厚生労働省によると
『体脂肪率と健康被害には明確な相関が認められていない』
とのこと。
実のところ、生活習慣病のリスクと関わっているのは体脂肪のうち内臓脂肪の方です。
つまり、脂肪の蓄積先が内臓だったら、健康被害が出やすいということです。
この場合、体重や体脂肪率が標準範囲内であっても要注意です。「痩せているから大丈夫」は当てはまりません。
むしろ、私の経験ではそういう人が特定保健指導(メタボ健診の生活指導)対象になっている印象です。
体重や血液結果は標準の範囲内なのに、腹囲だけ超えている。いわゆる ≪動機づけ支援≫ の人です。
体が勝手にやっていることなので、自分の思いや気持ちで変えることはできませんし、体重を落とせば解決する事象でもありません。
だからぜひ、管理栄養士などの健康の専門家と相談して、ご自身の体に合った内臓脂肪を落とすポイントを見出し、導いてあげてください。